当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組『勝負の瞬間(とき)』が1月31日(日)、21:00より放送されます。この番組では毎回、各スポーツから一流たちをお招きし、トップを極めたテクニックと、その思考法に迫ります。これまでのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。今回は昨季の賞金女王を惜しくも逃したものの、ツアー6勝をあげた女子プロゴルファーの諸見里しのぶ選手をお招きします。
(写真:諸見里選手のゴルフバッグを担ぎ、キャディーに立候補?)
 当サイトでは番組に先駆けて、諸見里選手とのインタビューの一部を紹介します。

二宮: 昨年はあと一歩のところで賞金女王にはなれなかったのですが飛躍されました。ご自身で振り返ってみていかがでしたか?
諸見里: 一言で言ってしまえば、すごく幸せな1年でした。プロゴルファーとして本当にたくさんの経験ができ、すごく成長できた1年だったと言えます。

二宮: 最後は一打届かず、賞金女王を逃しました。
諸見里: ゴルフは一打が大事だと、ずっと言われてきたし、ずっと思っていたんですけど、やはり今年ほど一打の大きさを感じたことはなかったです。振り返ってみると、最後の一打が響いたわけでは絶対ない。長いシーズンの中で「本当に無駄がなかったか」って自分に問いかけた時に、適当ではないにしても簡単に打ってしまったショットがたくさんある。そういうのが最後の最後に響いてきたのかなと感じました。

二宮: 賞金女王を逃した時はちょっと涙が出てしまいましたね。あれはやっぱり悔しさですか。それともいろんなことが走馬灯のように蘇って、ホロリと出ちゃったのでしょうか?
諸見里: 一瞬は悔しかったです。ただ、それまで2週間ぐらい、すごい重圧の中でゴルフをしていたので、その重圧からやっと開放された安心感もありました。そして、(最終戦の会場である)宮崎までたくさんの仲間が足を運んでくれて、18ホールついて廻ってくれたんです。賞金女王になった姿を見てもらいたかったけど、達成できなくて「申し訳なかったな」って感情もこみ上げてきました。
 でも今年の最初の目標は残念ながら「賞金女王」ではなかったんです。私の中では「2勝以上する」ことが一番の目標でした。だから一番最初に「賞金女王になります」って宣言してなれなかった悔しさと、途中から「いけるかもしれない」って思って、「あぁ、ダメだったかな」となる悔しさはちょっと違うと思います。私の場合は悔しいって気持ちもちょっとあるけど、「すごく勉強になった」という気持ちのほうが大きいです。

二宮: 一時期は賞金も2位と4000万円以上の差がありましたよね。自分が意識しなくても周囲は「もう賞金女王だぞ」と言うようになる。そのあたりで目に見えないプレッシャーもあったのではないでしょうか。
諸見里: 本当にプレッシャーがかかったのは残り2戦でしたね。それまでは周りの方もすごい期待をしてくれて、私自身も「頑張らなければいけないな。しっかりやらないといけないな」という気持ちだったんですけども、重圧は感じませんでした。ただ、残り2戦はちょっと焦って、緊張してしまいました。

二宮: その残り2戦、緊張の日々を送っている中で「あれ、いつもの自分と違うな」と感じた点ってありましたか?
諸見里: 今年のテーマがまず「笑う」ってことだったんですけど、やはり緊張で笑う場面が少なかったですね。ミスをするとナーバスになってしまったり、いつもだったら冗談を言える場面で真剣になってしまったり……。残り2戦は、ちょっと笑顔が少なかったかなと思います。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。

 番組ではこの後、彼女の飛躍の裏側に迫ります。そのきっかけとなったのは先輩ゴルファーである片山晋呉選手からの厳しい一言でした。「しのぶのゴルフは見ていて楽しくない」。ショックでボロボロ涙をこぼす諸見里選手へ片山選手はどんなアドバイスを与えたのか。彼女に大きな変化をもたらせた出来事が明らかになります。

 プロゴルフは一打で結果はもちろん、自らの稼ぎも大きく変わってしまう厳しい世界。重圧に打ち勝ち、「パットは入ることしか考えていない」との心境に至るために、ゴルファーはどんなトレーニングをしているのでしょうか。滝行や心拍数を上げ下げするトレーニングなど、諸見里選手の日頃の取り組みについて訊ねます。さらには「相棒」と語る道具へのこだわりや、理想のスイングについても披露します。

 近年の女子ゴルフ界は、諸見里選手を逆転して賞金女王に輝いた横峯さくら選手に、沖縄の先輩・宮里藍選手、有村智恵選手、上田桃子選手など激戦の様相を呈しています。ライバルたちを彼女はどう見ているのでしょうか。さらに男子のスーパースター石川遼選手は? ちょっぴりハートマークの入った遼クン評も見どころのひとつです。

 今季、諸見里選手は海外メジャーへの挑戦権を獲得し、活躍の舞台がさらに広がります。「この場所で優勝できるかもしれない」。昨年の全英ゴルフでつかんだ世界で戦う手応えと、将来の意外な(?)夢も語ってもらいました。
「感動しました。人間的にすばらしい」
 まだ23歳とは思えないしっかりした受け答えにインタビュアーの二宮も終始、感心しっぱなし。「愚痴、陰口、悪口、不平不満を言わない」など、彼女のポリシーには私たちも学ぶところが多いはずです。

 この『勝負の瞬間』は月1回ペースで2010年3月まで全12回シリーズでお届けしています。2月14日(日)の放送では東北楽天の岩隈久志投手が登場。その後もウインタースポーツや競馬界からビッグゲストをお招きする予定です。どうぞお楽しみに!

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