東北楽天・野村克也前監督の監督通算1500勝達成と名誉監督就任を記念するパーティーが28日、都内のホテルで開かれた。南海のプレーイングマネジャーに就任した1974年から計24年で成し遂げた偉業を祝って、発起人代表の中曽根康弘元首相をはじめとする政財界のトップや、加藤良三コミッショナー、福岡ソフトバンク・王貞治会長、巨人・原辰徳監督ら球界関係者合わせて800人が駆けつけた。
 パーティーの冒頭でスピーチした野村氏はこれまで携わった球団や選手たちに感謝の言葉を述べつつ、「(日本一を3度経験し、)特にお世話になったヤクルトの当時のオーナー、社長には来ていただきたかった」と、既に故人となった桑原潤元オーナー、相馬和夫元球団社長に思いをはせた。一方でヤクルトの次にお世話になった球団として社会人野球のシダックスをあげ、3年連続最下位で辞任した阪神を飛ばすハプニングも。これには野村氏も「悪いことはすぐ忘れちゃうもんで」と苦笑いしていた。

 さらには「楽天を去年、クビになりまして。これだけは納得がいかない」と球団初のクライマックスシリーズ進出に導きながら、契約を更新しなかった楽天フロントをチクリ。「今日は言っちゃいけないと思っていたけど、ついつい口に出ちゃう」と相変わらずボヤキは健在だった。これに呼応して加藤コミッショナーは「次に英語になる日本語は“ボヤキ”かもしれない。その時には創始者として野村さんの名前が説明につくはず」と持ち上げ、場内の笑いを誘っていた。
(写真:阪神・金本、ヤクルト・宮本、日本ハム・稲葉ら各選手から花が贈られた)

 鏡開き、日本サッカー協会・川淵三郎名誉会長による乾杯の後は、野村氏、王氏、原監督、北海道日本ハム・梨田昌孝監督と球界の豪華な顔ぶれが壇上に勢ぞろい。お互いの印象を語り、野球談義に花を咲かせた。さらにはEXILE、小柳ルミ子さんのライブパフォーマンスや、松村邦洋さんのモノマネで会場は大いに盛り上がった。パーティには南海時代にバッテリーを組んだ江本孟紀氏、ヤクルト時代の教え子である横浜・尾花高夫監督、ヤクルト・古田敦也前監督、広沢克実氏、阪神の矢野燿大捕手、楽天の渡辺直人内野手らも参加。野村氏を祝福しようと、その周囲は人であふれかえっていた。