当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組『勝負の瞬間(とき)』が3月14日(日)、21:00より放送されます。この番組では毎回、各スポーツから一流たちをお招きし、トップを極めたテクニックと、その思考法に迫ります。これまでのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。今回は4月25日の引退試合を目前に控えた柔道家の吉田秀彦選手をお招きします。
(写真:ミルコ、シウバ、石井らとの激闘の裏側を明かす!)
 当サイトでは番組に先駆けて、吉田選手とのインタビューの一部を紹介します。

二宮: この前、石井慧選手に勝った後に、引退を明言されたわけですね。本当は去年の暮れの試合で辞めたいという気持ちだったらしいですね。
吉田: 本当はそこで引退しようと思っていたんですけど、もともと「Dynamite!!」と「戦極」が別々だったのが、なんか成り行きで一緒になってしまった。その時、魔裟斗選手の引退試合がありましたんで、まぁ、そこで2つやるのもダメだなと思って、少し時期をずらしたんです。

二宮: これで現役が終わるかと思うと、寂しさみたいなものはないですか?
吉田: まったくないですね。柔道をやめる時もそうでした。そういうところはハッキリしているんですよね。

二宮: それだけ密度が濃かったということでしょうね。
吉田: めちゃくちゃ濃かったですね。いつも僕は精一杯やっているんで、「自分ができない」と思ったらそこまで。柔道の時もダメだと思ったからすぐ辞めたし、今回も自分でダメだと思ったんで。自分で判断したんで、全然後悔とかはないですね。

二宮: 未練が残っているとか、後悔しているって人は、そこまでやり尽くしていないからだと?
吉田: そうだと思いますよ。僕は、もう本当に腹いっぱいやったって感じですね。もう、おかわりできません(笑)。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。

 番組では、この後、吉田選手が強豪たちとの戦い日々を振り返っていきます。「これが総合格闘技の試合なんだなと、ワクワクした」というヴァンダレイ・シウバとの激闘や、「バットで足を思いっきりぶん殴られたような」ミルコ・クロコップのローキックの衝撃など、拳と拳を突き合わせた者にしかわからない話が次々と飛び出します。

 さらに話題はさかのぼり、柔道時代へ。柔道を始めたきっかけや、講道学舎での厳しい稽古、そして古賀稔彦先輩との出会いなど、エピソード満載でこれまでの道のりを語っていきます。
 吉田選手といえば、何といっても思い出されるのが、1992年のバルセロナ五輪。直前練習で先輩の古賀選手にケガをさせてしまったことでしょう。しかし、「僕も精神的なケガを負った」というショックを乗り越え、見事、オール一本勝ちで金メダルを獲得。翌日、古賀選手も足をひきずりながら、後輩の思いに応え、悲願の優勝を果たします。「金メダルを獲って先輩に申し訳ない気持ちでいっぱいだった」。そんな今だからこそ話せる舞台裏も明かしてくれます。

「柔道から学んだことは耐えること。耐えて耐えて勝負する」
 自分の信じた道をまっすぐに歩んできた男の言葉には重みと説得力を感じます。そして戦いの場を去る今、「人生ってギャンブル」と公言する吉田選手が次にすべてを賭ける対象は何なのでしょうか。日々の仕事で、つい弱音を吐きそうな我々の背中を押してくれる55分間です。

 この『勝負の瞬間』は月1回ペースでお届けしています。次回は競馬界のスーパージョッキーをお招きする予定です。どうぞお楽しみに!

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