8日、Jリーグは臨時理事会を開き、同リーグのドーピング禁止規定に違反した川崎フロンターレのFW我那覇和樹に6試合の出場停止処分を下し、川崎に制裁金1000万を科すことを決定した。
 我那覇は4月23日の練習後、クラブの後藤秀隆ドクターから「ニンニク注射」と呼ばれる栄養剤注射を静脈に受けた。栄養剤の成分自体は禁止薬物ではないが、Jリーグは今季から世界反ドーピング機関(WADA)の規定に沿う形で、正当な医療行為との認定なしの静脈注射を禁じていた。ルール変更は川崎側に事前に通知されていた。

 Jリーグは5月1日にドーピングコントロール委員会を開き、川崎の武田信平社長、後藤ドクター、我那覇本人に事情聴取を実施した。その結果、同委員会は我那覇に行われた静脈注射が緊急かつ合理的な医療行為ではなく、ドーピング禁止規定に抵触することを確認。今回の制裁につながった。

 我那覇が出場を自粛していた4月25日からの4試合は当該停止試合に算入されるため、実質は5月9日のAFCチャンピオンズリーグのアレマ・アラン(インドネシア)戦と13日のJ1第11節甲府戦の2試合で出場停止となる。

 今回の制裁を受けて、Jリーグの鬼武健二チェアマンは「(川崎と我那覇に)認識不足のところがあった。今後、同じような違反が起きた場合はさらに重い処分を与える」とコメント。我那覇本人は「自分はピッチでプレーするしかない」と話した。

<我那覇の出場停止対象試合>
� 4月25日(水)  AFCチャンピオンズリーグ 対全南現代(韓国)
� 4月29日(日)  J1第8節 対千葉
� 5月3日(木・祝) J1第9節 対横浜FM
� 5月6日(日)   J1第10節 対F東京
� 5月9日(水)   AFCチャンピオンズリーグ 対アレマ・マラン(インドネシア)
� 5月13日(日)  J1第11節 対甲府