ボストン・レッドソックスの松坂大輔は8日、敵地のクリーブランド・インディアンス戦に先発し、8回無失点で今季5勝目(2敗)をあげ、日米通算150勝(日本108勝、米42勝)を達成した。松坂は日米通算285試合目での到達で、これは2リーグ制が導入された1950年以降の日本プロ野球では西武の先輩、西口文也の319試合を上回るハイペース。高卒ルーキーとして16勝をあげたデビューイヤーから11年、怪物と呼ばれた右腕がひとつの節目にたどりついた。
 150勝目となる白星は松坂の良さが存分に発揮された内容だった。ア・リーグ中地区最下位と低迷するインディアンスを相手に、初回から走者を出しながらも連打を許さず、スコアボードにゼロを重ねていく。150キロを超えるストレートで打者を牛耳っていた日本時代とは異なり、メジャー移籍してから磨きをかけたカットボールやツーシームを駆使。8回に初めて先頭打者にヒットを打たれたが、続く打者を注文通りの併殺打に仕留め、危なげのない投球で8回を投げ終えた。

 今季は肩の不調からプロ入り最低の4勝に終わった昨季からの復活を目指している。だが、ここまでは好不調の波が大きく、不安定な内容が続いた。今季初登板となった5月2日には4回まで1失点ながら、5回に一挙6点を奪われ、KOされた。その後の2試合で連勝したかと思えば、18日のニューヨーク・ヤンキース戦では再び5回持たず7失点。23日のフィラデルフィア・フィリーズ戦では8回2死までノーヒットノーランピッチングを展開するも、28日には1イニング5四球を含む9つの四死球を与え、試合を壊した。

 そんな中、前回6月3日の登板は無四球の7回途中3失点。まずまずの内容で勝ち投手となり、いい状態をキープできるかどうかが注目されたこの日のマウンドだった。2試合連続の好投は今季初めてだ。150勝というひとつのハードルをクリアし、ようやく松坂復活ののろしが上がった。