ジャパン・フューチャーベースボールリーグ(JFBL)の大阪ゴールドビリケーンズに所属する8選手が野球賭博に関わっていたとして19日付で解雇された。25日、球団側が事実を認め、発表した。既に選手らは警察に出頭し、事情聴取を受けたという。賭けの対象になっていたのはNPBのプロ野球。ただ、その詳細や関与していた選手名は捜査中との理由で明らかにされていない。野球賭博は現在、大相撲で多数の力士、親方らの関与が発覚し、社会問題になっている。
 球団が地域に密着しながら、若者が能力を磨いてNPB、MLB行きの夢を叶える――。そんな独立リーグの精神を根底から覆す騒動が起きた。現時点では、選手たちによる賭博が仲間内のものだけなのか、反社会的勢力が絡んだ組織的なものかは分からない。また、八百長行為につながる自分たちのリーグを対象にしたものでもなかったという。だが、独立リーグはどこも経営が苦しい中、ファンや地元企業のサポートによって成り立っている。今回の一件は、その信頼を大きく裏切る形になってしまった。先に問題となった大相撲でも各企業が懸賞金の取りやめを始めており、同様にスポンサーの撤退などが起きれば、リーグ、球団自体が立ち行かなくなる恐れがある。

 JFBLの選手報酬は月額10〜40万円と決して高くない。選手たちは小遣い稼ぎのつもりで安易に手を染めてしまったのかもしれない。しかし、賭博で得た金額の代わりに、彼ら自身は大きなものを失った。リーグを通じてレベルアップし、NPBやMLBで成功すれば、何千万円、何億円の収入だって不可能ではなかったはずだ。目標としていたNPBの舞台が、単なる“金づる”に見えていたのだとしたら悲しすぎる。

 大阪球団は昨年の関西独立リーグの創設とともに誕生し、リーグ初年度で前後期ともに優勝を果たした。今季からは新しくできたJFBLに三重スリーアローズとともに参加。四国・九州アイランドリーグとの交流戦を含む54試合のリーグ戦を行っている。現在は8勝12敗1分で首位。今回、大阪は20選手のうち8名が解雇となり、現状ではリーグ戦を乗り切るだけのメンバーがいなくなってしまった。大相撲では7月の名古屋場所を中止するがどうかの議論もなされている。JFBLでも今週末には試合が組まれているが、開催できるか流動的だ。

(石田洋之)

<神戸が初の前期優勝! 〜関西独立リーグ〜>

 関西独立リーグ前期シーズンは25日、優勝へのマジックを1としていた神戸9クルーズがコリア・へチを12−1で破り、初優勝をおさめた。神戸は今季より指揮をとる池内豊(元阪神)新監督の下、5月中旬まで連敗することなく順調に白星を重ねた。6月上旬にはコリアが7連勝で首位を奪ったが、その後は失速。終始、安定した戦いぶりをみせた神戸が最後に笑った。関西独立リーグでは経営難からコリアを除く3球団が6月から無給に陥っているが、後期シーズンも予定通り7月11日に開幕する。

 武田翔、3安打6打点(神戸7勝5敗、三田城山、155人)
コリア・ヘチ        1 = 000100000
神戸9クルーズ     12 = 20302203×
勝利投手 今村(7勝2敗)
敗戦投手 李炯範(0勝3敗1S)

<順位表> 勝  負  分  勝率   差  残 
1.神戸   20  13  0  .606  優勝 3
2.紀州   15  15  3  .500  3.5  3
3.明石   11  14  6  .440  1.5  5
4.コリア  13  17  3  .433  0.5  3

【JFBL交流戦】

 1安打零封リレーで連敗脱出(愛媛4勝0敗1分、津、221人)
愛媛マンダリンパイレーツ 1 = 001000000
三重スリーアローズ     0 = 000000000
勝利投手 赤嶺(3勝1敗)
敗戦投手 洪(6勝4敗1S)
セーブ   能登原(1勝2敗4S)

<順位表> 勝  負  分  勝率   差
1.大阪   8  12  1  .400
2.三重   8  16  2  .333  2.0

【アイランドリーグ】

 雨天中止
高知−香川(高知)
徳島−長崎(アグリあなん)

<順位表> 勝  負  分  勝率   差  残
1.高知   21  6   5  .778       6
2.香川   21  9   4  .700  1.5  4
3.徳島   16  14  3  .533  5.0  5
4.愛媛   13  21  3  .382  5.0  1  
5.長崎   12  21  2  .364  0.5  3


◇前期
 3回、怒涛の6連打で6得点(群馬6勝3敗1分、伊勢崎球場、412人)
新潟アルビレックスBC   5 = 000400100
群馬ダイヤモンドペガサス   8 = 01600100×
勝利投手 キム(3勝0敗1S)
敗戦投手 寺田(4勝4敗)
セーブ   通事(3勝0敗1S)
本塁打  (新)頓所1号2ラン
       (群)聖哉2号2ラン

 下島、サヨナラタイムリー(新潟3勝5敗1分、三條機械スタジアム、308人)
群馬ダイヤモンドペガサス   2 = 000002000
新潟アルビレックスBC   5 = 20000030×
勝利投手 石渡(4勝3敗1S)
敗戦投手 大木(0勝1敗)
セーブ   間曽(0勝2敗1S)
本塁打  (福)内田2号ソロ、北田1号ソロ