日本ラグビー協会は31日、9月に開幕するW杯イングランド大会に出場する日本代表最終登録メンバー31名を発表した。選ばれたのは、3大会連続出場でチーム最年長(37歳)となるLO大野均や主将を務めるFLリーチ・マイケルら。学生で代表入りした筑波大のWTB福岡堅樹、早稲田大のWTB藤田慶和など20名は初のW杯となる。都内ホテルで会見に臨んだエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は「日本のラグビーを変える気持ちで戦ってきた。イングランドでは究極の試練が待っている。ベスト8に入る」と決意表明した。
(写真:選手たちにメンバーを発表する前夜は「寝られなかった」と選考の苦労も明かしたジョーンズHC)
「経験者と若手、非常にいい組み合わせになった」
 ジョーンズHCはセレクションに自信をのぞかせた。3大会連続出場となる大野、LOトンプソン・ルークに、スーパーラグビーでプレーしたリーチ、SH田中史朗、そして学生の福岡、藤田とメンバー構成は多彩だ。

「セレクションは一貫していた。特にビックリすることはない」と指揮官が話すように、今回代表入りした選手のほとんどはエディー・ジャパンになって以来、定期的に招集されてきた。今年に入ってからは4月から宮崎で合宿を重ね、チームの完成度は高まっている。

 過去、W杯ではわずか1勝のジャパンが、目標に掲げるのはベスト8。2019年のW杯日本開催につなげるためにも、今まで以上に結果が求められる大会となる。主将のリーチは「日本ラグビーを変えられるのは選手だけ。最高の舞台で頑張りたい」と意気込みを示した。
(写真:「日本の歴史を変える大チャンス」と今回のW杯を位置付ける最年少の藤田)

 会見では全選手がひとりひとり抱負を語り、田中は「4年前は申し訳ない思いをさせてしまった。3勝が目標だが、ひとつひとつのプレーで夢や希望を与えられるようにしたい」と強い思いを口にした。バイスキャプテンのHO堀江翔太も「今後の日本ラグビー界のためにも結果を残して胸を張って帰りたい」と約束した。

「希望を胸にW杯に向かいたい」
 大会後に退任が決まっているジョーンズHCにとって、W杯は集大成の場だ。史上最強との呼び声高い31名のメンバーで、いざ世界に挑戦する。

<最終登録メンバー31名>

FW
アイブス・ジャスティン(キャノン)、伊藤鐘史(神戸製鋼)、稲垣啓太(パナソニック)、大野均(東芝)、木津武士(神戸製鋼)、ツイ・ヘンドリック(サントリー)、トンプソン・ルーク(近鉄)、畠山健介(サントリー) 、マイケル・ブロードハースト(リコー)、ホラニ龍コリニアシ(パナソニック)、堀江翔太(パナソニック)、真壁伸弥(サントリー)、アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)、三上正貴(東芝)、山下裕史(神戸製鋼)、湯原祐希(東芝)、リーチ・マイケル(東芝)

BK
クレイグ・ウィング(神戸製鋼)、小野晃征(サントリー)、五郎丸歩(ヤマハ発動機)、マレ・サウ(ヤマハ発動機)、立川理道(クボタ)、田中史朗(パナソニック)、田村優(NEC)、廣瀬俊朗(東芝)、日和佐篤(サントリー)、福岡堅樹(筑波大)、藤田慶和(早大)、カーン・ヘスケス(宗像サニックス)、 松島幸太朗(サントリー)、山田章仁(パナソニック)

<今後の予定>

9月1日〜 イングランド・ブリストル直前合宿
9月5日 テストマッチ 対グルジア(イングランド・グロスター)

9月19日 予選プール第1戦 対南アフリカ(イングランド・ブライトン)
9月23日 予選プール第2戦 対スコットランド(イングランド・グロスター)
10月3日 予選プール第3戦 対サモア(イングランド・ミルトンキーンズ)
10月11日 予選プール第4戦 対米国(イングランド・グロスター)

(写真/大木雄貴)