2010年のメジャーリーグを締めくくるワールドシリーズが28日、開幕した。第1戦はサンフランシスコ・ジャイアンツ(ナ・リーグ覇者)がテキサス・レンジャーズ(ア・リーグ覇者)を打撃戦の末、11−7で下し、先勝した。ジャイアンツがティム・リンスカム、レンジャーズがクリフ・リーと両エースを先発に立てた一戦は、投手戦の予想から一転し、初回から点を取り合う。2−2の同点で迎えた6回、ジャイアンツはフアン・ウリベの3ランなどで一挙6点をあげて大きく勝ち越し。8回にも3点をあげ、レンジャーズの追い上げを振り切った。
 F.サンチェス、4安打3打点の活躍(ジャイアンツ1勝、AT&Tパーク)
テキサス・レンジャーズ      7 = 1100002003
サンフランシスコ・ジャイアンツ 11 = 00206003×
勝利投手 リンスカム(1勝0敗)
敗戦投手 リー(0勝1敗)
本塁打  (ジ)ウリベ1号3ラン

 先手をとったのは球団創設50年目にしてワールドシリーズ初出場となるレンジャーズだった。初回、リンスカムの立ち上がりを攻め、1死2、3塁のチャンスからウラジーミル・ゲレロがピッチャー強襲の内野安打。1点を先制する。リンスカムは2回にも先頭打者にヒットを許すと、1死後、ピッチャーのリーに左中間へ2塁打を打たれ、さらに1点を失った。

 試合はこのままレンジャーズのペースかと思われたが、3回、守りにほころびが出る。先頭のエドガー・レンテリアの打球をサードがはじき、エラー。これをきっかけにジャイアンツが走者をため、フレディ・サンチェスの2塁打で1点を返す。なおもバスター・ポセイがレフトへ同点のタイムリー。試合は2−2の振り出しに戻った。

 リンスカムは3回以降は本来の投球を取り戻し、5回までの3イニングをゼロに抑える。すると直後の攻撃で地元の声援を味方につけ、ジャイアンツ打線が火を噴いた。1死2塁の好機をつくると、F.サンチェスが2打席連続の2塁打。3−2と1点を勝ち越す。さらに2死1、2塁からリーグチャンピオンシップMVPに輝いたコディ・ロスがセンター前に弾き返し、もう1点。続くオーブリー・ハフにもタイムリーが生まれ、リーをKOした。

 そして、とどめを刺したのは下位打線の一発だ。7番・ウリベがレンジャーズ2番手ダレン・オデイの代わり端をとらえ、左中間への3ラン。このポストシーズンは1試合の最高が6得点だったジャイアンツがわずか1イニングで6点をあげ、試合の行方を決定づけた。F.サンチェスは8回にもダメ押しのタイムリー2塁打を放ち、3本の2塁打がいずれも打点つきとなる大当たりをだった。一方、5回途中7失点で降板したリーは自身プレーオフ8度目の先発で初めて敗れ、不敗神話が途絶えた。