メジャーリーグのワールドシリーズは31日、第3戦が行われ、連敗で本拠地に戻ったテキサス・レンジャーズがサンフランシスコ・ジャイアンツを4−2で下し、今シリーズ初勝利(1勝2敗)を収めた。レンジャーズは先発のコルビー・ルイス(元広島)が好投。8回途中2失点の内容でポストシーズンは無傷の3連勝となった。打線は2回、ミッチ・モアランドの3ランで先制し、5回にも1点追加。終盤は継投で相手の反撃をかわした。
 ルイス、ワールドシリーズ初登板初勝利(レンジャーズ1勝2敗、レンジャーズ・ボールパーク)
サンフランシスコ・ジャイアンツ 2 = 000000110
テキサス・レンジャーズ      4 = 03001000×
勝利投手 ルイス(1勝0敗)
敗戦投手 J.サンチェス(0勝1敗)
セーブ   フェリス(1S)
本塁打  (ジ)ロス1号ソロ、トーリス1号ソロ
       (レ)ハミルトン1号ソロ、モアランド1号3ラン

「コルビー、コルビー」
 スタジアムを埋め尽くした大観衆が一斉に救世主の名をコールした。リーグチャンピオンシップでは2戦2勝。王者ニューヨーク・ヤンキースの息の根を止めた右腕が、またもやチームを救った。

 立ち上がりは決して完璧というわけではなかった。初回はヒットと四球で得点圏に走者を背負った。2回も先頭打者を歩かせた。だが、広島時代に培った丁寧な投球であと1本を許さない。初戦、2戦で計20得点と打ちまくったジャイアンツ打線を徐々に手玉にとっていく。

 すると2回、レンジャーズは先頭のネルソン・クルーズがセンターへフェンス直撃の2塁打を放ち、チャンスをつくる。2死となったが、ベンジー・モリーナが四球を選び、走者をためる。ここで打席に入ったのは、9番モアランド。今シリーズで打率.600と好調の左バッターは粘って9球目をライトへ運ぶ。これがそのままフェンスオーバーし、1発で3点を先行した。

 5回にもジョシュ・ハミルトンのソロで4−0とリードを広げ、試合は完全にレンジャーズが主導権を握った。ルイスは走者を背負いながらも連打を許さず、危なげない投球をみせる。終盤は疲れからかボールが甘くなり、2本のホームランを浴びたものの、いずれもソロにとどめて後続にマウンドを譲った。

 ルイスにとっては広島時代は経験できなかったポストシーズンでの快投だ。もし、次回の登板があるとすれば、6戦か7戦。シリーズ制覇を決める大一番で、もう1度、投げるためには味方の頑張りが不可欠になる。チームに勢いをつけるには充分すぎるナイスピッチングだった。