ニューヨーク・メッツからフリー・エージェント(FA)になっていた高橋尚成が2日、ロサンゼルス・エンゼルスと2年契約を結んだ。年俸総額は800万ドル(約6億7000万円)と見られている。エンゼルスは今季、巨人時代の先輩である松井秀喜がプレー(現在はFA)。今季はア・リーグ西地区4連覇を逃しており、ブルペン陣、特にリリーフ左腕の補強が求められていた。
 昨オフ、巨人からFA権を行使してメジャーリーグ挑戦を表明した高橋だったが、35歳を迎える年齢もネックとなり、当初は移籍先がなかなか決まらなかった。ようやくメッツとマイナー契約を結んだのはスプリング・トレーニング直前の2月だった。だが、オープン戦で結果を出してサバイバルレースを勝ち抜き、開幕前にメジャー昇格。春先は中継ぎ起用も、5月には先発、夏場からは抑え役も任され、10勝6敗8セーブ、防御率3.61の成績を残した。

 1年目で好結果を残した左腕だけに、球団は契約延長を希望して交渉に臨んだものの、複数年契約を希望した高橋サイドに対し、メッツは1年契約を主張。話し合いが決裂し、先月初めに退団が決まっていた。その後、獲得の意思を示したレッズへの移籍交渉もまとまらず、複数の球団が興味を示していた。エンゼルスが本拠とするカリフォルニアは温暖な西海岸で家族揃って生活もしやすく、本人が望む複数年を提示したことが決め手になったようだ。