アイランドリーグ出身選手たちは今 〜宮本裕司(千葉ロッテ)編〜

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 NPBもアイランドリーグもシーズンの開幕まで約1カ月。今季、リーグからは過去最多タイの6名が新たにNPBの門をくぐり、計19選手が1軍で活躍するべくキャンプを終えた。彼らの動向もリーグの行方ともに、ファンは気になるところだ。NPB入りというひとつの夢を叶えた選手たちは、新たなシーズンにどのように臨もうとしているのか? その今を追いかけた。
 今季こそ夢舞台へ――宮本裕司

 優勝を決めた一発だった。
 2010年9月24日、イースタンリーグの巨人−千葉ロッテ最終戦。首位・ロッテは2位の巨人に勝つか引き分ければ、4年ぶりの2軍優勝が決まる。

 2−2で迎えた6回表、先頭でトップバッターの宮本裕司が打席に入る。相対するは野間口貴彦。追い込まれてから変化球にうまく反応した。「手ごたえはなかった」という打球はぐんぐん伸びて、ライトスタンドへ。貴重な勝ち越し弾となり、ロッテは4−2で勝利。混戦となったイースタンリーグを制した。

「あの1発で生き延びたかもしれないですね(笑)」
 昨季はこのアーチを含む8本塁打を2軍で記録した。NPB入り後、2年間で0本塁打だった左打者にとって、大きな進化だった。つかんだのはボールに対する反応のタイミングだ。これまではボールをしっかり見極めようとするあまり、どうしても反応が遅くなっていた。

 打撃コーチに指摘され、修正の成果が出たのが9月2日の巨人戦(ロッテ浦和)だ。右中間にホームランを放った。
「あぁ、このポイントか」
 自分の中で手ごたえを得た。それから3週間で4本塁打。トップバッターとして優勝に貢献した。
 一方で打率は.248と過去3年でもっとも低かった。
「好不調の波が大きすぎました」
 前半戦では打率1割台の時期もあった。不調の時期をなるべく短くすることが1軍昇格への課題となる。

 本職は捕手。ただ、このところは1塁や外野を守ることが多い。「捕手は誰でも、すぐにはできないポジション。そこも守れるというのはアドバンテージにしたい」。出場機会を少しでも増やすべく、今季もユーティリティープレーヤーとして生きるつもりだ。

 先のドラフト会議でロッテは大学ナンバーワン外野手の伊志嶺翔大、大学ナンバーワン捕手の小池翔大を揃って補強した。1軍でのプレーを目指す宮本にとっては強力なライバルだ。
「バッティングはもちろん、走れることもアピールしたい」
 昨季の盗塁はわずかに1。逆に盗塁死は7つもあった。アイランドリーグ時代は3年間で32盗塁しており、決して足が遅いわけではない。1軍の西村徳文監督、2軍の高橋慶彦監督ともに機動力を重視しているだけに、昨秋のキャンプでは走塁技術に磨きをかけた。

「正直、去年で終わりかなと思った時期もあった。1年間、契約してもらったので思い切ってやりたい」
 宮本は記念すべきアイランドリーグの1期生だ。四国4球団で約100名いた同期の中で野球を続けている選手は、ほんの一握りになった。もう一度、好きな野球ができる喜びを全面に出してプレーしたい。今はそう考えている。

 もちろん、その先に見据えるのは初の1軍登録だ。「夢舞台へ…」と題した本人のブログに、その朗報が記された時、背番号64の新たな夢がスタートする。
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