3月26日(土)
◇1回戦
 14安打の猛攻で快勝
智弁和歌山    8 = 200004110
佐渡(新潟)    1 = 000100000
 初回、智弁和歌山打線が佐渡のエース鎌田侑樹(3年)の立ち上がりを攻めた。先頭の1番・山本隆大(3年)が死球で出塁すると、2番・小笠原知弘(3年)が送りバントを決め、3番・道端俊輔(3年)がヒットで続き、1死一、三塁とした。4番・宮川祐輝(3年)の当たりはショートへの内野安打となり、三塁ランナー山本が先制のホームを踏んだ。さらに2死後、6番・蔦直広(2年)が四球で出塁して満塁とすると、7番・中村恒星(3年)にタイムリーが出て、2点目を挙げた。
 一方、佐渡は4回裏、ようやく得点のチャンスをつかんだ。先頭の2番・和田浩樹(3年)がチーム初安打を放つと、続く3番・鈴木峻太郎(2年)がタイムリー二塁打を放ち、同校にとって記念すべき甲子園初得点を挙げた。

 しかし6回表、智弁和歌山打線が併殺で2死無走者となった後、ヒットと四球で一、二塁とすると、山本のタイムリーで1点を追加。さらに次打者が四球で出塁し、満塁とすると、道端が走者一掃のタイムリー三塁打を放ち、この回一挙4点を挙げた。7、8回にも1点ずつを加えた智弁和歌山は、その差を7点に広げた。結局、14安打の猛攻を見せた智弁和歌山が昨春に続いて初戦突破。高嶋仁監督は甲子園通算60勝目を挙げた。2回戦では光星学院(青森)と対戦する。


 履正社、エース温存も完封勝ち
総合技術(広島)   0 = 000000000
履正社(大阪)    4 = 20000002×

 初出場の総合技術が1回裏、ミスで失点を喫した。立ち上がり、制球に苦しんだ2年生エース伊田有希が先頭の海部大斗(3年)にいきなり四球を与えると、2番・正木健太郎(3年)には送りバントを決められて無死二塁となる。3番・原田涼平(2年)を空振り三振に切ってとるも、4番・石井元(3年)は死球を与えて2死一、二塁とした。そして、ここで総合技術の守りにミスが出る。5番・桝井翔太(3年)の打球を中堅手・胡麻裕宜(3年)が落球し、2人のランナーが生還。履正社は無安打で2点を先制した。
 2回以降は総合技術・伊田、履正社・渡辺真也(3年)の両先発投手の投げ合いとなり、ゼロ行進が続いた。

 ようやく試合が動いたのは8回裏。履正社は、先頭の8番・大西晃平(3年)が初めて外野へのヒットを放った。9番・渡辺真也(3年)が送りバントを決めて1死二塁とすると、1番・海部がセンター前へ。渡辺が一気に三塁も回り、1点を追加した。さらに送りバント、ワイルドピッチ、四球で2死一、三塁とすると、4番・石井が初球、高めの直球をライトへきれいに弾き返し、履正社が4点目を挙げた。味方打線から大きな援護をもらった渡辺は9回表を三者凡退に切ってとり、2安打完封勝ちを収めた。


 履正社、エース温存も完封勝ち
国学院久我山(東京)   7 = 103000120
九州学院(熊本)      8 = 430000001×

 両校ともに2年生エースが立ち上がり、制球に苦しんだ。初回、九州学院の大塚尚仁(2年)は簡単に2死を取るも、3番・松田進(2年)を守備のエラーで出すと、4番・木村悠人(3年)に四球を与え、2死一、二塁とした。そして5番・川口貴都(2年)に初球の変化球をうまくセンターへ運ばれ、先取点を許した。
 その裏、今度は九州学院打線に国学院久我山エースの川口が立ち上がりを攻められる。先頭の溝脇隼人(2年)に内野安打で出塁されると、2つの暴投で三塁まで進めてしまう。2番・下田勇斗(3年)に四球を与えると、3番・山下翼(3年)は遊ゴロに打ち取るも、これを遊撃手・松田が一塁へ悪送球。この間に三塁ランナー溝脇が生還し、山下も二塁へ。さらに山下に盗塁を決められて1死三塁となる。続く4番・萩原英之(2年)にも四球を与えると、最後のボールを捕手・菊地泰志(2年)が後逸し、逆転を許した。2死後には6番・坂井宏志朗(3年)、7番・田村拓也(3年)にもタイムリーを打たれて、この回4点を失った。九州学院は2回裏にも山下、5番・岡山士朗(2年)のタイムリーで3点を挙げ、その差を6点に広げた。

 3回表、国学院久我山が反撃する。先頭の2番・泉宮裕樹(3年)がチーム初の長打となる二塁打を放ち、次打者のライトフライで三塁へタッチアップ。4番・木村は1打席目に続いて四球で出塁する。2死後、6番・新居晋之介(3年)が走者一掃のタイムリー三塁打を放ち、2点を返した。
 中盤は両投手が立ち直りを見せ、ゼロ行進が続いた。再び試合が動いたのは7回表、国学院久我山は先頭の泉宮がヒットで出塁すると、盗塁を決めて二進する。松田、木村と倒れるも、川口がタイムリーを放ち、1点を返した。続く8回表には2死無走者から怒涛の3連打で2点を奪い、最大6点差を追いつき、試合を振り出しに戻した。

 試合はそのまま最終回へ。まずは九州学院の大塚が国学院久我山打線を三者凡退に切ってとった。その裏、九州学院は簡単に2死を取られ、このまま延長かと思われた。しかし、溝脇が値千金の三塁打を放ち、一打サヨナラのチャンスをつくった。満員のスタンドが固唾を呑んで見守る中、最後は思わぬ幕切れとなった。次打者への初球、川口が投げた真ん中低めへの直球がワンバウンドとなり、これを捕手・菊地が止め切れずに後逸する。すぐにベースカバーに走った川口に送球するも、間に合わず。ヘッドスライディングした三塁ランナー溝脇がサヨナラのホームを突いた。