3月25日(金)
◇1回戦
 負傷の鈴木が決勝タイムリー
明徳義塾(高知)   5 = 000112010
日大三(東京)    6 = 00100212×
 序盤から互いにランナーをスコアリングポジションに置きながら、得点を奪うことができなかった両校だったが、3回裏、均衡が破れた。日大三は先頭の8番・吉永健太朗(3年)が内野安打で出塁した。ここで明徳義塾エースの尾松義生(3年)の制球が乱れ、2者連続で四球を出し、1死満塁となった。さらに尾松は3番・畔上翔(3年)にも四球を与え、押し出しで日大三に先制を許した。

 最少失点に抑えたエースの力投に応えるかのように、今度は明徳義塾打線がチャンスをつかむ。4回表、2死二塁から9番・山口礼門(3年)がタイムリー三塁打を放ち、すぐさま同点に追いつくと、5回表には3番・先田弦貴(3年)、4番・北川倫太郎(3年)の連続二塁打で勝ち越した。さらに6回表にも先田、5番・大西輝幸(2年)のタイムリーで2点を追加した。
 一方、日大三も6回裏、反撃に出た。畔上、金子が連続ヒットで出塁すると、次打者が送りバントを決めて1死二、三塁とした。6番・清水弘毅(3年)は内野ゴロに倒れるも、この間に三塁ランナー畔上が生還し、1点を返した。さらに7番・菅沼賢一(3年)にもタイムリーが出て1点差に迫った。そして7回裏、1死一、二塁からキャプテン畔上に同点タイムリーが出て、試合を振り出しに戻した。

 8回表、日大三の守備にミスが連発した。先頭打者を内野ゴロに打ち取るも、これを一塁手が捕球ミスをした。さらにワイルドピッチでランナーを二塁に進めてしまう。2番・今里征馬(2年)の送りバントを日大三の捕手・鈴木貴弘(3年)が三塁へ。しかし、間に合わず、フィルダースチョイスとなって無死一、三塁となった。そして3番・先田を二ゴロに打ち取るも、これを二塁手がホームへ。この送球が捕手・鈴木の顔面に当たり、三塁ランナーが返った。
 その裏、再び日大三が反撃する。1死からヒットと四球で一、二塁とすると9番・鈴木が左中間を破るタイムリー二塁打を放ち、日大三が2点を追加。結局、これが決勝打となった。


 初出場・静清、11安打の猛攻で快勝
京都成章     3 = 000101001
静清(静岡)   9 = 04200030×
【本塁打】
(京)岡田晃
(静)益田

 2回裏、初出場の静清打線が京都成章のエース西野健太郎(3年)をとらえた。1死から5番・加藤翔(3年)が相手守備のミスで二塁まで進むと、ここから怒涛の4連打を浴びせて一挙4点を奪い、早くも試合の主導権を握る。さらに4回裏にもスクイズと相手ピッチャーのワイルドピッチで静清が2点を追加した。

 一方、京都成章は4回表に4番・岡田晃汰(3年)の一発で1点を返した。6回表には1死二、三塁から5番・柳尾涼哉(3年)の内野ゴロの間に三塁ランナーが返り、2点目を挙げた。投げてはエース西野が徐々に立ち直りを見せ、4、5、6回は静清打線を三者凡退に切ってとる好投を見せた。しかし7回表、その西野が静清の2番・益田龍介(3年)にダメ押しとなるスリーランを浴び、その差を7点に広げられた。
 最終回、京都成章は1点を返し、なおも2死三塁に。しかし、反撃もここまでだった。最後は9番・竹内司(3年)が空振り三振に倒れ、ゲームセット。春初出場の静清が11安打9得点と見事な集中打で快勝し、初勝利を挙げた。


 光星学院、春初勝利を完封で飾る
水城(茨城)       0 = 000000000
光星学院(青森)   10 = 14212000×

 未曾有の被害をもたらした東日本大震災の被災地同士の対戦となったこの試合は、光星学院が投打に圧倒したワンサイドゲームとなった。1回裏、光星学院は1死後、2番・榎本慎(3年)が両者あわせてこの試合初安打を放つと、次打者の内野ゴロの間に二塁へ。さらにワイルドピッチで三進する。ここで4番・田村龍弘(2年)がタイムリーを放ち、1点を先制した。

 さらに光星学院は2回裏、相手守備のミスに乗じてチャンスを広げると、3番・川上竜平(3年)のタイムリー二塁打などで、この回一挙4点を追加し、試合の主導権を握った。3回以降も着実に得点を重ね、その差を広げていく光星学院。投げてはエース秋田教良(3年)が5回までほぼ完璧なピッチングで水城打線を封じた。
 なんとか一矢報いたい水城だったが、最後まで光星学院エースの秋田を攻略することができず、結局一人もホームに返すことができないまま、ゲームセットとなった。