OLYMPUS DIGITAL CAMERA 日本サッカー協会は1日、「2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選兼AFCアジアカップUAE2019予選」のシリア代表戦(10月8日、マスカット)と親善試合のイラン代表戦(13日、テヘラン)に出場する日本代表23人を発表した。FW南野拓実(ザルツブルク)がハリルジャパンに初選出されたほか、DF塩谷司(サンフレッチェ広島)、MF柏木陽介(浦和レッズ)、MF清武弘嗣(ハノーファー96)が復帰を果たした。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はDF米倉恒貴(ガンバ大阪)のことを「闘う人。デュエルにいける人」と言及し、期待値の高さが伺われた。

(写真:「ゴール前のクオリティーは改善の余地がある」と語るハリルホジッチ監督)



 ハリルホジッチ監督は「このシリア戦が一番難しい」と位置付けしながらも「とにかく勝つ。勝利の文化を植え付けたい」と会見の冒頭で語った。

 勝ちにいくためのメンバーリストの中に南野の名前があった。現在、20歳のFWはオーストリア・ブンデスリーガで9戦5発の得点ランク3位だ。このニューフェイスを指揮官は「現代フットボールに適応するアタッカー。彼のプレーで一番おもしろいのは、ボールがないところの動き。数年後には日本代表にとって効果的な選手になる」と述べた。

 復帰組では、塩谷と柏木の名前も挙がった。塩谷に関しては「右サイドバックとして競争してほしい。テクニックのクオリティーも既に良いものを持っていてパワーも十分ある」と監督は招集理由を話す。広島では3バックの右を担っているが、ハリルホジッチは4バックの右サイドバックとして考えている。柏木については「後ろからの組み立てに参加してほしい。代表の中盤には左利きが多くないので、彼の左足が有効になる」と浦和の司令塔に期待を寄せる。

 継続して呼ばれている選手の中で特に期待値の高さを伺わせたのが米倉だ。彼には2つの顔がある。ガンバ大阪では右サイドバックだが、代表では左サイドバックとして招集されている。八千代高校時代の米倉は攻撃的なポジションの選手だった。07年にジェフユナイテッド千葉にも、オフェンスの選手として入団した。13年にチーム事情により右サイドバックとしてコンバートされるとチーム3位の6アシストを記録し、ブレークした。その活躍が評価され、14年にガンバ大阪に引き抜かれた。

 そしてG大阪でも右サイドバックとしてレギュラーに定着し、今年の東アジア杯で代表に呼ばれた。「グラウンド上で米倉を見たときには左サイドでかなりの可能性があると感じた」とハリルホジッチは明かす。周知のように代表指揮官は球際の強さや、縦への速さを求める。「彼は闘う人。デュエルにいける人と判断している。闘う意識とスプリント能力が素晴らしい」とハリルホジッチは米倉の評価を口にした。

 8日に対戦するシリアはW杯2次予選E組で3戦3勝の首位だ。いまだ無失点のシリア守備陣を破るためにも米倉の思い切りの良いプレーが必要だろう。ハリルホジッチ監督には、ぜひシリア戦に遅咲きのサイドバックを起用してほしい。

【日本代表メンバー】

GK 東口順昭(ガンバ大阪)
  西川周作(浦和レッズ)
  六反勇治(ベガルタ仙台)
DF 丹羽大輝(ガンバ大阪)
  長友佑都(インテル・ミラノ)
  槙野智章(浦和レッズ)
  森重真人(FC東京)
  米倉恒貴(ガンバ大阪)
  吉田麻也(サウサンプトン)
  塩谷司(サンフレッチェ広島)
  酒井高徳(ハンブルガーSV)
MF 長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)
  柏木陽介(浦和レッズ)
  香川真司(ボルシア・ドルトムント)
  清武弘嗣(ハノーファー96)
  山口蛍(セレッソ大阪)
  柴崎岳(鹿島アントラーズ)
FW 岡崎慎司(レスターシティー)
  本田圭佑(ACミラン)
  原口元気(ヘルタ・ベルリン)
  宇佐美貴史(ガンバ大阪)
  武藤嘉紀(1.FSVマインツ05)
  南野拓実(ザルツブルク)

(文・写真/大木雄貴)