2018FIFAワールドカップロシアのアジア2次予選(兼アジアカップ2019予選)が8日、イラン・テヘランで行われ、日本代表(FIFAランキング58位)はアフガニスタン代表(同130位)に6−0で勝利した。アフガニスタンの政情不安のため、中立地での開催となった一戦は、日本が前半10分にMF香川真司のゴールで先制。35分にはセットプレーからDF森重真人が追加点をあげる。後半に入っても、香川がこの日2得点目を決めると、FW岡崎慎司の2ゴールなどで突き放して快勝した。

 香川、流れ呼ぶ2発(テヘラン)
日本代表 6−0 アフガニスタン代表
【得点】
[日本] 香川真司(10分、50分)、森重真人(35分)、岡崎慎司(57分、60分)、本田圭佑(73分)
「引いた相手に対して、このような大差をつけるのは難しかったと思うが、よくやってくれた」
 予選3試合目で、ようやくヴァイッド・ハリルホジッチ監督も納得の内容だ。ランキング下位とはいえ、ハリルジャパンになってから最多の6ゴール。殊勲の香川も「大差で勝ち切れて良かった」とスッキリした表情をみせた。

 ゴールラッシュを生んだのは、香川の先制弾だ。10分、左サイドから、この日スタメン出場したFW原口元気が中央へ切りこみ、パスを供給。受けた香川はペナルティエリアの外から「思いきって打った」と反転して右足を一閃する。ミドルシュートはゴール左に吸い込まれた。

 2点目はCKからだった。35分、左ショートコーナーから、一旦、サイドバックの長友佑都に戻し、前線へボールを入れ直す。そこへ反応したのが森重だ。ヘディングシュートは相手GKに阻まれたものの、こぼれ球をMF本田圭佑がゴールラインぎりぎりで粘りとり、折り返す。森重がもう一度、押しこみ、日本は2点リードで前半を終了した。

 後半に入って、香川がさらに日本の勢いを加速させる。5分、中央の本田から左サイドを抜けた香川へパス。香川は原口に折り返そうとするが、相手DFに当たってこぼれる。「うまくこぼれて、冷静に決めることができた」と、そのボールを拾って今度は左足を振り抜いた。前半に続く立ち上がりの得点。試合は完全に日本ペースになった。

 12分には、本田、香川とつないで、MF山口蛍にスルーパス。完全に相手DFの裏をとると、相手GKを引きつけ、ゴール前に走りこんだ岡崎にラストパスを送る。
「みんなでコンビネーションで崩して、いいパスが来た」
 岡崎が無人のゴールに流し込み、日本に4点目が刻まれた。

 さらに3分後、本田のミドルシュートが相手DFに当たった跳ね返りを岡崎は逃さない。右足ボレーで合わせ、またもやゴールネットを揺らした。

 ダメのダメを押したのは後半28分。途中出場のFW宇佐美貴史が左サイドから一気のドリブルで相手のDFラインを切り裂く。折り返したところを、本田が相手GKと競り合いながらゴールに押しこんだ。

 これで締めて6得点。日本は時折、カウンターで自陣への侵入を許す場面はあったが、90分を通じてボールを支配し、主導権を握った。攻め込みながら無得点だったシンガポール戦、3得点と苦しんだカンボジア戦と比較すると、大量得点でハリルホジッチ監督、選手とも余裕が感じられた。

「予選はまだ続く。これが始まり」
 岡崎が試合後、語ったように、ハリルジャパンにとっては、これまでの沈滞ムードを払拭し、本格始動の一戦となりそうだ。次戦は10月8日。オマーンで今予選3戦3勝中のシリア代表(ランキング121位)と対戦する。