ボルチモア・オリオールズの上原浩治が現時時間30日、テキサス・レンジャーズに移籍することが決まった。昨季13勝をあげたトミー・ハンターら2選手との交換トレード。上原は巨人から2009年にFA移籍。今季はセットアッパー役として43試合に登板して1勝1敗、防御率1.72と安定した成績を残している。レンジャーズでは東海大仰星高時代の同級生、建山義紀がリリーバーを務めており、海の向こうで再びチームメイトになることとなった。
 本人にとっては寝耳に水のトレードだったようだ。この日はニューヨーク・ヤンキースとのダブルヘッダーでブルペンに待機。昼寝から目覚めるとトレードを知らされたという。レンジャーズは現在、ア・リーグ西地区の首位。ロサンゼルス・エンゼルスとの地区優勝争いを演じている。チームでは右腕のネフタリ・フェリスがクローザーを務めており、そこへのつなぎ役として白羽の矢が立った。

 上原はオリオールズ移籍当初は先発ローテーションの一角を占めていたが、故障もあり、2年目からはリリーフに転向。昨季終盤にはクローザーを任され、13セーブをマークし、新たに球団と1年契約を結んでいた。今季はこのところ13試合連続無失点と好調で、その間、四死球がわずかに2個と制球力も抜群だ。リーグ連覇を狙うチームで、さらに現地での評価を上げるチャンスが訪れたと言っていいだろう。

 メジャーリーグでは31日のトレード期限を前に、選手の移籍が相次いでいる。移籍の可能性が取りざたされていたロサンゼルス・ドジャースの黒田博樹は残留が決定した。黒田は広島から08年にFA移籍。今季も先発ローテーションを守り続けているが、打線の援護にも恵まれず、ここまで6勝(13敗)にとどまっている。

 ドジャースはナ・リーグ西地区4位と低迷。球団が破産法の適用を申請し、経営難に陥っていることから黒田を放出するのでは、との見方が強かった。実際、防御率は3.11とリーグ11位につけており、プレーオフ進出争いを続けているボストン・レッドソックスなどが興味を示していた。最終的には本人が悩んだ末にシーズン通じてのプレーを希望し、トレードの拒否権を行使した。