12日、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ（CS）ファーストステージ第３戦が行われ、巨人が阪神に３‐１で勝利し、CSファイナルステージ進出を決めた。巨人は初回に立岡宗一郎の三塁打をきっかけに１点を先制すると、６回裏に阿部慎之助の適時打などでリードを３点に広げた。巨人は７回表に先発のアーロン・ポレダが福留孝介にソロホームランを浴びたものの、その後は継投陣が踏ん張り、リードを守り切った。勝利した巨人は、14日からCSファイナルステージで東京ヤクルト（レギュラーシーズン１位）と日本シリーズ出場をかけて神宮球場で戦う。

 

◇ファーストステージ第３戦
　４番・阿部、先制打含む２打点の活躍（巨人２勝１敗、東京ドーム）
阪神　　　１　＝　００００００１００
巨人　　　３　＝　１００００２００×
勝利投手　ポレダ（１勝０敗）
敗戦投手　能見（０勝１敗）
セーブ　　澤村（１勝０敗１セーブ）
本塁打　（阪）福留１号ソロ

 

　巨人の先発は、今季阪神戦の勝率.714を誇り、“虎キラー”の異名を持つアーロン・ポレダである。ポレダは４回まで走者を１人も出さないパーフェクトピッチングで、１回表２死から３者連続で三振を奪うなど、文句なしの立ち上がりを見せた。

 

　一方、阪神先発・能見篤史は３回まで毎回走者を背負う不安定な投球となった。巨人は、その隙を初回から見逃さなかった。トップバッターの立岡は、初球から積極的にバットを振ると、打球は右中間へ飛んでいった。俊足の立岡は、二塁ベースを蹴って、三塁へヘッドスライディング。見事な走塁でチャンスをつくった。その後、１死一、三塁となり、阿部が能見の４球目をすくい上げるようにしてバットに当てた。打球はセンターへの大きな犠牲フライとなり、巨人が１点を先制する。

 

　援護を受けたポレダは、５回表にマウロ・ゴメスとマット・マートンに連打を浴び、この試合初めて得点圏まで走者を許す。無死一、二塁のピンチを迎えたが、関本賢太郎と江越大賀を連続三振に切って取ると、代打・新井良太をショートゴロに仕留めて切り抜けた。

 

　６回裏から阪神は、能見に代えて岩田稔をマウンドに送った。先頭打者の立岡がレフト前ヒットで出塁すると、片岡冶大が送りバントを成功させる。１死二塁で坂本勇人が、センター前ヒットで１死一、三塁にすると、阿部が岩田の外角低めのスライダーをライトに弾き返して１点を追加した。その後も１死一、三塁とチャンスは続き、岩田が長野久義の打席でワイルドピッチ。キャッチャーの梅野隆太郎がボールを弾いた隙に、三塁走者の坂本が一気にホームへ突進した。際どいタイミングだったが、梅野がタッチする前に坂本の左手がホームに触れた。巨人はさらにリードを広げる。

 

　巨人３点リードで迎えた７回表、ポレダは先頭打者の福留にライトへソロアーチを浴びて降板する。後を継いだスコット・マシソンは、７、８回の２イニングを、いずれも三者凡退で抑え、守護神・澤村拓一にバトンを渡した。しかし、試合の幕引きを任された澤村は、いきなり鳥谷敬と代打・西岡剛に連続でヒットを許してしまう。無死一、二塁と一発が出れば逆転のピンチを招き、迎えたバッターは、前の打席でソロ本塁打を放った福留。今季からクローザーに転向し、36セーブを挙げた澤村は、ここで動じない。まず福留を１球でセカンドゴロに仕留めると、ゴメスからは三振を奪った。最後はマートンをショートゴロに打ち取り、無失点でゲームを締めた。ファーストステージを２勝１敗で制した巨人は、レギュラーシーズン首位・ヤクルトが待つ神宮決戦へとコマを進めた。

 

（文／安部晴奈）