トルコ・イスタンブールで開催されていたレスリングの世界選手権は18日、最終日を迎え、男子フリースタイル66キロ級で米満達弘(自衛隊)が銀メダルを獲得した。米満は昨年のアジア大会で日本勢16年ぶりの優勝を果たした25歳。今大会は前回銅メダルのジャブライル・ハサノフ(アゼルバイジャン)を下し、準決勝も勝って世界選手権の男子フリースタイルでは62キロ級の和田貴広(現国士舘大コーチ)以来、16年ぶりの決勝進出を決めた。決勝ではメディ・タガビ・ケルマニ(イラン)に敗れ、日本勢30年ぶりの金メダルは逃したものの、同階級でのロンドン五輪出場権を確保した。
 米満にとっては悔しい銀メダルと言っていいだろう。金メダルを賭けて対戦したケルマニは世界選手権で優勝経験があるとはいえ、昨年のアジア大会決勝で勝利した相手。だが、準決勝までは決まっていたタックルで主導権を奪えない。第1ピリオドは逆にタックルを返され、ポイントを失った。第2ピリオドも攻めきれないまま、延長戦へ。コイントスで守備側にまわり、このピリオドも相手に制された。

 ただ、初出場だった一昨年の3位を上回る準優勝。世界の頂点に立つ目標は来年のロンドンに持ち越された。今大会の日本勢は男女合わせて金3個、銀1個、銅3個の成績だった。今大会で五輪の出場枠を確保した選手のうち、男子はメダル獲得選手、女子は優勝者が、12月の全日本選手権を制すると五輪代表に内定する。