8日、WBSC野球ランキング上位12位までの国・地域が出場する国際大会「WBSC世界野球プレミア12」が開幕した。1次ラウンドB組で日本代表(世界ランキング1位)は韓国代表(同8位)に5-0で勝利した。試合は2回裏に平田良介(中日)の適時打などで、日本が2点を先制する。5回に再び平田にタイムリーが生まれると、6回裏には坂本勇人(巨人)のソロホームランでリードを4点に広げた。守っては、開幕投手を務めた大谷翔平(北海道日本ハム)が6回無失点で好投すると、後を継いだ則本昂大、松井裕樹(いずれも東北楽天)がリードを守り抜き、完封勝ちを収めた。日本は11日にメキシコ代表(世界ランキング12位)と対戦する。

 

 大谷、6回2安打10奪三振の力投(札幌ドーム)

韓国代表   0 = 000000000

日本代表   5 = 02001101×

 

(韓)●キム・グァンヒョン‐チョ・サンウ‐チャ・ウンチャン‐チョン・ウラム‐チョ・ムグン

(日)○大谷‐則本‐松井

本塁打 (日)坂本1号ソロ

 

 日本は、2009年ワールドベースボールクラシックの決勝戦以来、約6年ぶりの日韓対決を5-0で制した。打っては、12安打5得点。守っては、3投手合わせて14奪三振、完封リレー。投打で韓国を圧倒した日本は、世界ランク1位の実力の差を見せつけた。

 

 大事な初戦の先発を任された大谷は、序盤から圧巻のピッチングを披露した。初回に3番のキム・ヒョンスを相手に最速161キロを記録するなど、威力のある速球を嶋基弘(楽天)のミットへ次々と投げ込んだ。150キロ後半の直球とフォークでとアウトを積み重ね、4回1死まで韓国打線をノーヒットに封じた。

 

 好投の大谷を援護すべく日本が先制点を奪ったのは2回裏だ。無死一、二塁の場面で平田が打った打球は三塁ベースに当たり、三塁手を守るホ・ギョンミンの手元をすり抜けて外野へと転がった。ラッキーな当たりで1点を先制した後も、チャンスは続き、坂本の犠牲フライでリードを2点に広げた。

 

 リードをもらった5回表にはパク・ビョンホに2塁打を打たれると、続くソン・アソプに四球を出してこの試合初めてのピンチを迎えたが、ここからがすごかった。7番のホ・ギョンミンをフォークで空振り三振。8番のカン・ミンホは高めのストレートを投じ、バットで空を斬らせた。代打のナ・ソンボをフォークで見逃し三振に仕留め、三者連続三振に切って取った。

 

 その裏には打線が再び大谷を援護した。2死一、二塁から平田が適時打を放つと、6回裏には坂本がカウント2-2からレフトスタンドへホームランを放り込んだ。平田と坂本は、ともに2安打2打点と大当たり。一方、韓国打線を完璧に封じていた大谷は7回からマウンドを楽天のエース・則本に譲る。今シーズン最多勝、最優秀防御率と投手2冠の大谷は、6回2安打無失点10奪三振と先発の役割を十二分に果たした。

 

 後を任された則本は、1人目からエンジン全開で150キロを超える直球で韓国打線に真っ向勝負を挑んだ。イ・デホ(福岡ソフトバンク)の打席では自己最速157キロを叩き出すなど、7回を三者凡退に抑える。8回表には1死一、二塁のピンチを作るものの、坂本の好守に助けられた。先発の大谷と同様に、得点圏に走者を背負っても、落ち着いたピッチングで打ち崩されることはなかった。

 

 8回裏には、ここまでノーヒットだった山田哲人(東京ヤクルト)にもようやくヒットが出た。2死一塁でツーベースを放つと、一塁走者の坂本は、一気にホームへと生還した。これで、この試合のスタメン起用された7人の右打者は全員ヒットを記録。小久保裕樹監督が「打線のヒーローはたくさんいる」と言っていたように、攻撃では計12安打と打ちまくった。

 

 5点リードで迎えた最終回、守護神に抜擢されたのは、今季33セーブをあげた松井だった。松井は三連打を浴びて、いきなり無死満塁のピンチをつくる。しかしNPB史上最年少で30セーブを記録した20歳の左腕は動じない。走者を背負ってからの粘りの投球で韓国打線を抑え込む。まずファン・ジェギュンを高めのストレートで空振り三振に切り、1アウトを取る。次のヤン・ウィジを内野フライに打ち取り、2アウト。最後はキム・サンスをファウルフライに仕留めた。

 

 初戦をモノにして幸先の良いスタートを切った日本。明日からは台湾へと渡り、メキシコ(11日)、ドミニカ共和国代表(12日)、米国代表(14日)、ベネズエラ代表(16日)と対戦する。台湾の地でも、今日のように日本の強さを世界に見せつけたい。