(写真:ゴール直後にガッツポーズをみせた浅井)

(写真:ゴール直後にガッツポーズをみせた浅井)

 30日、東京・京王閣競輪場で行われた「KEIRINグランプリ(GP)2015」は浅井康太(三重)が5度目の出場で初優勝を遂げた。2着は新田祐大(福島)、3着には平原康多(埼玉)が入った。GP賞金1億160万円を手に入れた浅井は、年間賞金総額1位に輝き、2015年を最高の形で締めくくった。

 

 競輪界最高峰のレースであるGPを制したのは、単独で挑戦した浅井だった。残り1周半を知らせるジャンが鳴り響くまで6番手につけていた浅井は、最後の直線で先頭の平原を追い抜き、新田の追い上げにも屈せず1着でゴールした。

 

 スタートの合図とともに、新田が飛び出した。後続をトラック3分の1周ほどの差をつけるスタートダッシュで、先頭をキープ。新田と同じラインを組む山崎芳仁(福島)、関東勢の武田豊樹(茨城)-平原-神山雄一郎(栃木)、初出場の園田匠(福岡)、浅井、近畿勢の稲垣裕之(京都)-村上義弘(京都)が続いた。レース中盤まで、この並びに変動はなかった。

 

 残り2周半を過ぎると、はじめに近畿勢が動いた。仕掛け反応した武田も3番手から上がっていく。稲垣と武田との競り合いが繰り広げられ、残り2周で稲垣がトップに躍り出た。その後ろに村上がピタリとつく。近畿勢、関東勢、浅井、園田、福島勢の順でジャンが鳴り響いた。この時、浅井は「残り2周前で稲垣さんと武田さんが足を使っていたので、自分は足を溜めるために関東の4番手を選択しました」と6番手につけていた。

 

 ラスト1周を過ぎると、再び近畿勢と関東勢の熾烈なトップ争いが起きる。武田が村上を捲ろうと試みるものの、村上も譲らない。すると、武田の番手に回っていた平原が外側から追い抜きトップに立つ。その後を浅井が続く。7番手の新田はグングン追い上げる。ラストの直線で浅井が平原をかわすと、1着でゴール。差してきた新田から逃げ切った。終盤まで余力を残していた浅井の見事な作戦勝ちとなった。浅井は優勝インタビューで「まさか自分が獲れると思っていなくて、本当に夢のようです」と笑顔を見せた。

 

(写真:アントニオ猪木<左>と柳ゆり菜<右>に挟まれるGP王者・浅井)

(写真:アントニオ猪木<左>と柳ゆり菜<右>に挟まれるGP王者・浅井)

 今回、浅井は6番車。競輪には、6番車に弱い選手が入るという慣例がある。今回の車番は抽選で決定したため、これまでとは違うが、あまりいい印象の番車ではない。山田裕仁以来2度目となる6番車での優勝を飾った浅井。レース後に「6番車で山田さんがGPを獲っていたので、いろいろアドバイスを頂いた。現役中も、引退してからもアドバイスを頂いているので、その通りに走れば自分も勝てるのかなと勉強させてもらっています」と語った。

 

 最後にトップを奪われた1番人気の平原は「優勝を獲りにいったが、力が及ばなかった。力を出し切って終わったので、納得のいくレースだった」と話した。昨年とは打って変わって、平原の前を走った武田は、連覇を逃した。それでも「負けはしたけど、位置をつくって十分チャンスはあった。いい反省といい経験をした」とレースを振り返った。

 

 GPを制した選手が翌年は1番車のユニホームを着てレースに臨む。“1番”を背負うことを問われると、浅井は「今回は最強の6番車になれたので、次は最強の1番車になれるように頑張りたいと思います」と答えた。来年、浅井は“最強の1番車”として、再びGPの舞台に戻ってこられるか。2016年の競輪シーズンも楽しみである。

 

 主な払い戻し金は以下の通り。

 

▽2枠複 (2)-(5) 670円

▽2枠単 (5)-(2) 1760円

▽2車複 (2)-(6) 1180円

▽2車単 (6)-(2) 2920円

▽3連複(2)-(6)-(8) 970円

▽3連単(6)-(2)-(8) 7720円

 

※結果、払い戻し金などは必ず主催者のものとご確認、ご照合下さい。