メジャーリーグのワールドシリーズは21日、第2戦を迎え、初戦を落としたテキサス・レンジャーズがセントルイス・カージナルスに2−1と逆転勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。レンジャーズは1点ビハインドの最終回、無死2、3塁のチャンスから連続犠飛で2点をあげて逆転。連夜の1点差ゲームをモノにした。
 元広島・ルイス、7回途中1失点(レンジャーズ1勝1敗、ブッシュスタジアム)
テキサス・レンジャーズ   2 = 000000002
セントルイス・カージナルス 1 = 000000100
勝利投手 アダムズ(1勝0敗)
敗戦投手 モット(0勝1敗1S)
セーブ   フェリス(1S)

 初戦に勝利し、連勝を狙うカージナルスの先発は今季13勝をあげた左腕のハイメ・ガルシア。一方のレンジャーズは元広島のコルビー・ルイスがマウンドに上がった。試合はこの両投手が投げ合いを展開する。

 ガルシアが序盤の3回をパーフェクトに封じれば、ルイスは1安打1四球無失点。4回にはレンジャーズが四球とマイケル・ヤングのチーム初安打で2死一、三塁と好機をつくったが、後続が打ち取られ、無得点に終わる。カージナルスも3回、5回と2死から得点圏に走者を進めるも、あと1本が出なかった。

 緊迫した投手戦が動いたのは7回、カージナルスは2本のヒットで2死一、三塁のチャンスを迎える。レンジャーズはここで好投のルイスからアレクシ・オガンドにピッチャーをスイッチ。カージナルスも9番のガルシアの打順で代打にアレン・クレイグを送り、勝負を仕掛ける。グレイグは期待に応え、ライト前へ先制のタイムリー。第1戦では同様に代打クレイグがオガンドからライトへ勝ち越し打を放っており、その再現VTRを見ているようだった。

 こうなるとカージナルスは強力救援陣で逃げ切りをはかる。フェルナンド・サラス、マーク・ゼプチンスキーと継ぎこんで8回を三者凡退に封じると、最終回は満を持して抑えのジェーソン・モットがマウンドへ。ここまではカージナルスの完全な勝ちパターンだった。

 だが、この守護神が誤算だった。先頭のイアン・キンスラーに内野安打で出塁を許すと、エルビス・アンドラスもヒットで続き、無死二、三塁の大ピンチを招く。ここでカージナルスはモットを諦め、今季途中にレンジャーズを戦力外になった左腕のアーサー・ローズを送り込んだ。古巣を見返したいローズだったが、3番ジョシュ・ハミルトンにライトへ犠牲フライを上げられて同点に追いつかれる。なおも代わったランス・リンが4番マイケル・ヤングに犠飛を打たれ、スコアは1−2。土壇場で試合をひっくり返された。

 勝利を目前で逃したカージナルスに反撃の余力はもう残っていない。裏の攻撃はレンジャーズのクローザー、ネフタリ・フェリスに抑えこまれ、痛い星を落とした。一方、敵地での連敗を阻止したレンジャーズにとっては大きな1勝だ。第3戦は移動日を挟み、レンジャーズ・ボールパークで23日に行われる。