160120daiki

(写真:壇上から選手、関係者を鼓舞した大亀会長)

「岩手国体では、1年後のえひめ国体と同じように、優勝するんだという気持ちで臨んでほしい」

 今年で10回目の開催となった「新春えひめスポーツの集い」。1月3日、松山市内の会場には県内のスポーツ関係者が一堂に会し、愛媛県体育協会の大亀孝裕会長は主催者挨拶で各競技団体に対して強い口調でこうハッパを掛けた。

 

 昨年の和歌山国体では天皇杯で13位まで上昇。目標の10位以内はクリアできなかったとはいえ、強化が進んでいると言える。出席した選手各々が今年の目標を宣言するなど初の単独開催となる「愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」に向け、例年以上に熱気のこもった会となった。

 

 県体協は今年もこの会に合わせて愛媛新聞に全面広告を掲載。「めざせ総合優勝」との大きな見出しのもと、各競技団体が目標を提示している。

たとえば和歌山国体で成年女子サーブル3位入賞を果たしたフェンシングでは「岩手国体での全種目入賞」、少年の部団体戦で61年ぶりに5位入賞の相撲は「えひめ国体での団体優勝」、8種目中4種目で入賞した弓道は「えひめ国体で『弓道王国えひめ』の称号を呼び戻す」……。

 

 また、ウエイトリフティングは「えひめ国体では地元選手で固めて総合優勝、そして2020年東京オリンピック出場」と東京五輪を見据えるなど、それぞれ独自に目標設定していることが面白い。また、広告には「えひめ国体で総合優勝するために、県民のみなさまへお願い」として(1)練習場の確保(2)練習時間の確保(3)応援の協力、の3点を記している。

 

 会はスポーツ関係者の奮起を促すばかりが目的ではなく、県民への呼びかけ、国体への盛り上がりを県全体で高めていきたいという狙いもある。中村時広愛媛県知事は来賓祝辞で「競技施設の整備促進や県外来訪者の受け入れ体制の構築に力を注ぐとともに、運営ボランティア等を募り、県民総参加の輪を広げるなど、官民一体となった〝オール愛媛〟の体制で、準備を加速している」と強調している。

 

 昨年の「ゆるキャラグランプリ」でえひめ国体のマスコットキャラクターでもある、みきゃんが準優勝を獲得するという嬉しいニュースが飛び込んできた。「飛躍的に知名度、人気が高まったみきゃんを広告塔にして、一気に機運を盛り上げて参りたい」とは中村知事。県全体にとどまらず、県外にもえひめ国体を積極的にアピールしていく考えを示した。

 

160120daiki2

(写真:乾杯する出席者たち)

「スポーツの集い」終了後、あらためて県体協幹部に話を聞くことにした。

――例年以上に、多くの関係者が集まったようですね。

「参加者は300人を越え、これまでのなかで一番多くの方が集まりました。えひめ国体に対する県民のみなさんの関心が高まってきていることも感じることができました。しかし、昨年の和歌山国体で13位になっていることで、競技力が順調に向上していると過信している方が多い。まだまだ課題が山積みしていて、これからが大変である。そのことを理解していただき、応援をお願いしたい」

 

――課題というのは?

「天皇杯・皇后杯を獲得するためには、和歌山国体で獲得した得点の倍以上が必要になるということ。ターゲットエイジの育成・強化、有望選手の確保、練習環境の改善などなど、たくさんあります。競技力の向上は一朝一夕にできるものではありません。まさに正念場を迎えています」

 

――愛媛新聞の全面広告には、40にものぼる競技団体が目標を記しています。全面広告の狙いとは?

「県民のみなさんへの周知を図り、機運を高めていくために昨年に引き続き掲載しました。各競技団体が昨年よりも具体的な目標を掲げ、現実味を帯びてきている。目標が上がっているところもあって心強い。協賛社も昨年より10社以上、増えています。目を引く全面広告にしたことが関心を呼んでいると思っており、国体開催年となる来年も掲載できればと考えています」

 

――来年のえひめ国体に向けて、県体協が力を入れるべき取り組みとは?

「天皇杯・皇后杯獲得に向けてラストスパートし、優勝への見通しを早急に立てていきたい。そのためにターゲットエイジの強化、有望選手の確保、練習環境の改善に全力で当たりたいと思います」

 

「希望郷いわて国体」の冬季大会は1月27日に開幕する。県内の有力選手として、女子スピードスケートの郷亜里沙が500m、1000mに出場予定。一昨年、昨年とナショナルチームに所属し、県のスポーツ専門員でもある。競技得点で15点獲得を目指し、10月開幕の本大会に弾みをつけたいところ。県スポーツ界にとって、大事な1年がスタートする。

 

---------------------------------

関連リンク>>公益財団法人 大亀スポーツ振興財団

(このコーナーでは2017年の「愛顔つなぐ えひめ国体」に向けた愛媛県やダイキのスポーツ活動について、毎月1回レポートします)


◎バックナンバーはこちらから