(写真:トップリーグの高島チェアマン<右>にMVPを授与される堀江)
25日、ラグビー・トップリーグの年間表彰式が都内で行われ、MVPには3連覇を達成したパナソニックワイルドナイツのHO堀江翔太が選ばれた。堀江は5季ぶり2回目の受賞。パナソニック勢はベストキッカーのSOベリック・バーンズをはじめ7名がベストフィフティーンに入った。得点王は83得点を挙げたヤマハ発動機ジュビロのFB五郎丸歩が3季ぶり3回目の獲得。最多トライゲッターはトヨタ自動車ヴェルブリッツのFL安藤泰洋、サントリーサンゴリアスのWTB江見翔太が6トライを挙げて初受賞した。新人王には準優勝の東芝ブレイブルーパスLO小瀧尚弘が選出された。
W杯フィーバーで盛り上がった13年目のトップリーグ。観客動員は目標としていた40万人を大きく上回り、過去最多の49万1715人を記録した。この日の表彰式には119人の報道陣が詰めかけ、ラグビーの母国で快進撃を見せたジャパンのメンバーも顔を揃えた。MVPの堀江、得点王の五郎丸を含めベストフィフティーンのうち6名が日本代表メンバー。PR稲垣啓太(パナソニック)、FLリーチ・マイケル(東芝)、No.8アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)、SH田中史朗(パナソニック)というW杯でもキープレーヤーとなった選手たちは、トップリーグに戻ってきても、その実力を如何なく発揮した。
過去4年間、外国人選手の手に渡っていたMVPを再び日本人選手が手にした。堀江はかねてから“奪還”を誓っており、まさに有言実行となった。5季ぶり2度目の受賞には「初めてもらった時の方がインパクトのあるプレーをしていたと思うんですが、今年はそんなに活躍することもなく淡々と自分の仕事をした。この賞はチームの賞だと思います」とチームメイトに感謝した。週末には母校・帝京大学との日本選手権が控えているが、「いい準備をして気合を入れ直し、勝ちに行きたい」と必勝を誓った。
(写真:「タイトルをとれてホッとした」とシーズンを振り返る五郎丸)
いまやラグビー界の顔となったのが五郎丸。正確なキックから23のコンバージョン、9のPGを決めた。7試合で83得点を挙げ、3季ぶり3回目の得点王。「今シーズンはグラウンド外で仕事をさせていただいて、“コイツ、大丈夫か?”と思われたかと思いますが、タイトル獲ってラグビーに対する情熱をお伝えできた」とコメント。多忙を極める中で、チームのサポート、理解が大きかったという。「ヤマハだからできた」と感謝する。激動の今季はベストフィフティーンと合わせて2冠を獲得。ベストキッカーは成功率90.9%のバーンズに譲り、3冠は逃した。来シーズンは3冠に挑戦する。
日本ラグビーフットボール協会の岡村正会長は「ブームに終わらせず継続させることが、我々ラグビー界が果たすべき役割」と語る。2019年にはW杯の日本開催が控えており、ここで歩みを止めてしまうわけにはいかない。岡村会長は「さらにその先もラグビー界が進化を続けていくことに努めていく必要がある」と述べた。ジャパンの強化には、トップリーグの成長が欠かせない。高島正之チェアマンは「“日本にはトップリーグがある”というフレーズを、胸を張って世界に発信することを目指して頑張っていきます」と意気込んだ。
その他の受賞チーム、選手は以下の通り。
【優勝】
パナソニックワイルドナイツ 3季連続4回目
【準優勝】
(写真:準優勝とベストファンサービス賞の盾を持つ東芝・森田主将)
東芝ブレイブルーパス
【3位】
ヤマハ発動機ジュビロ
【ベストファンサービス賞】
サントリーサンゴリアス 12季ぶり2回目
東芝ブレイブルーパス 2季連続2回目
パナソニックワイルドナイツ 2季連続2回目
【フェアプレーチーム賞】
豊田自動織機シャトルズ 初
【ベストホイッスル】
麻生彰久 3季連続3回目
【ベストフィフティーン】
PR1 稲垣啓太(パナソニック) 3季連続3回目
HO 堀江翔太(パナソニック) 3季連続6回目
PR3 浅原拓真(東芝) 初
LO アンドリース・ベッカー(神戸製鋼) 2季連続2回目
LO ヒーナン・ダニエル(パナソニック) 2季ぶり5回目
FL リーチ・マイケル(東芝) 3季ぶり4回目
FL 金正奎(NTTコミュニケーションズ) 初
No.8 アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコミュニケーションズ) 初
SH 田中史朗(パナソニック) 2季連続5回目
SO ベリック・バーンズ(パナソニック) 3季連続3回目
WTB 江見翔太(サントリー) 初
WTB 北川智規(パナソニック) 2季ぶり7回目
CTB リチャード・カフイ(東芝) 初
CTB JP・ピーターセン(パナソニック) 初
FB 五郎丸歩(ヤマハ発動機) 5季連続5回目
【特別賞】