巨人の清武英利球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM)が11日、文部科学省で会見を行い、渡邉恒雄球団会長がフロントや来季のコーチ人事に介入していることを明らかにし、「不当な鶴の一声で、愛する巨人軍を、プロ野球を私物化するような行為を許すことはできません」と批判した。
(写真:声明を読み上げる巨人・清武代表)
 涙の訴えだった。会見中、声明を読み上げながら、2度、言葉に詰まった。目には光るものがあった。「(組織を)正しい道に戻したい。おかしなことがあれば指摘するのが役員の務め」。巨人のみならず、球界全体に影響を与えてきたワンマン会長への内部告発だ。

 清武代表が会見で発表した声明によると、10月20日に読売新聞本社の渡邉会長を訪れ、来季のコーチ人事を含む構想や補強課題を記載した書類を持参して報告を行い、口頭で了承を得た。この中では岡崎ヘッドコーチの留任も含まれていた。ところが4日、渡邉会長は記者団に「オレは何にも報告を聞いていない。オレに報告なしに、勝手にコーチの人事をいじくるというのは、そんなことありうるのかね。オレは知らん。責任持たんよ」と発言。9日になって、「巨人軍の一軍ヘッドコーチは江川卓氏とし、岡崎郁ヘッドコーチは降格させる。江川氏との交渉も始めている」との通達があったという。

 これに対し、清武代表は会見で「プロ野球界におけるオーナーやGM制度をないがしろにする行為だ」と批判。自らの辞任については否定した。