24日、2018FIFAワールドカップロシア大会のアジア2次予選(兼AFCアジアカップ2019予選)が埼玉スタジアムで行われ、グループE組の日本代表(FIFAランキング56位)がアフガニスタン代表(同151位)と対戦した。序盤から押し気味進めた日本は、前半43分にFW岡崎慎司(レスター・シティー)のゴールで先制に成功する。後半13分に清武弘嗣(ハノーファー96)が追加点を奪うと、FW金崎夢生(鹿島アントラーズ)らにも得点が生まれるゴールラッシュ。日本は5-0の大勝で2016年の初戦を飾った。

 

 岡崎、代表通算48点目は技あり先制弾(埼玉)

日本代表 5-0 アフガニスタン代表

【得点】

[日本] 岡崎慎司(43分)、清武弘嗣(58分)、オウンゴール(63分)、吉田麻也(74分)、金崎夢生(78分)

 

 2016年最初のゴールはやはりこの男だった。岡崎は自らに巡ってきたチャンスを確実に仕留める。ストライカーらしい仕事ぶりで、日本のゴールラッシュの口火を切った。

 

 フォーメーションは中盤がダイヤ型の4-4-2。ヴァイッド・ハリルホジッチ就任以降、初めて試す布陣だ。代表常連のMF本田圭佑(ACミラン)、MF香川真司(ボルシア・ドルトムント)が外れ、トップ下には清武が起用された。両サイドのMFは柏木陽介(浦和レッズ)、原口元気(ヘルタ・ベルリン)を配置し、2トップは岡崎と金崎が入った。

 

 引いて守るアフガニスタンに対し、立ち上がりは攻めきれない時間が続いた。「選手たちはうまくやろうとし過ぎた。判断も早く、正確さを欠いた」とハリルホジッチ監督は振り返る。それでも次第に体が温まってきたのか攻撃ユニットが機能していく。まずは前半10分に金崎が清武のパスを受けて、右足でミドルシュートを放つ。ボールは枠の上を通過したが、ゴールに貪欲に向かう姿勢を見せた。

 

 その後も金崎がバイタルエリアに何度も顔を出す。12分には金崎のシュートのこぼれ球を拾った原口が、左足を一閃。シュートはバーを直撃した。24分には1対1の場面を作り、37分にはDF長友佑都(インテル・ミラノ)の左からのクロスに飛び込んだ。いずれもGKのファインセーブに阻まれたが、ハリルホジッチ監督は「彼の戦うところ、存在感があった。よくボールを呼び込む動きをしてくれた」と高く評価した。

 

 前半終了の笛が近付く頃、金崎の陰に隠れていた背番号9が存在感を見せつける。43分、岡崎が清武の縦パスを受けるとペナルティエリア内で反転。すぐさま右足で相手DFの股を抜いた。巧みなボールコントロールでシュートコースを拓くと、あとはゴール左に流し込むだけでよかった。

 

 再三再四チャンスを作りながら、スコアレスでハーフタイムを迎えていたら嫌なムードに陥りかねない。その点で言えば、ただの1点ではなかっただろう。後半はプレースピードを上げて、シュートの雨を降らせた。

 

 再びスコアが動いたのは13分。MF長谷部誠(フランクフルト)が縦に入れたグラウンダーのパスを、金崎がダイレクトでつないでアフガニスタンDFの裏を狙う。浮き球のスルーパスに反応したのは、前半から前線に何度も顔を出していた清武だ。左足でうまく合わせ、ゴール右に流し込んだ。

 

 その5分後にはアフガニスタンのオウンゴールを誘発した。新布陣にトライしていたハリルホジッチ監督は27分に「オプションを試すことができた」と、岡崎に代えてFWハーフナー・マイク(デン・ハーグ)を投入する。29分には清武の左CKにDF吉田麻也(サウサンプトン)が頭で合わせて4点目を奪った。

 

 ゴールラッシュの締めくくりは、194センチの長身ストライカーをピッチに送り込んだ6分後だ。チーム最多9本のシュートを打った金崎がトドメを刺す。33分、清武のクロスボールにハーフナーがヘディングで落とす。最後は金崎が体で押し込んだ。指揮官が「美しい勝利だった」と胸を張る完勝。守っても2次予選7戦連続で無失点と危なげなかった。

 

 これで日本は勝ち点19となり、依然としてトップをキープした。2位のシリア代表とは暫定で勝ち点差は4となった。シリアがカンボジア代表に勝利して、勝ち点差を再び1とされても、29日の直接対決を引き分け以上で1位突破が決まる。ハリルホジッチ監督は「さらに厳しい相手になる。ファイナルという気持ちでやらないといけない。勝ちにいくトライをしたい。まずは勝利と失点しない」と意気込む。5日後、埼玉でシリアを迎え撃つ。

 

(文/杉浦泰介)