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(写真:「これまでと違うやり方をトライしたい」と話したハリルホジッチ監督)

 17日、日本サッカー協会は「2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選兼AFCアジアカップUAE2019予選」のアフガニスタン代表戦(24日、埼玉)とシリア代表戦(29日、埼玉)に出場する日本代表24人を発表した。FW本田圭佑(ACミラン)、MF香川真司(ボルシア・ドルトムント)らが順当に選出されたほか、GK川島永嗣(ダンディー・ユナイテッド)、MF清武弘嗣(ハノーファー96)、FWハーフナー・マイク(ADOデン・ハーグ)、FW小林悠(川崎フロンターレ)が復帰した。

 

「我々の仕事の2年目が始まる。2年目は攻撃面も守備面も向上してほしい」とヴァイッド・ハリルホジッチ監督は会見の冒頭で語った。攻撃、守備のパワーアップに必要とされたのが、ハーフナー、小林、川島なのだろう。

 

 ハリルホジッチ監督は、約9カ月ぶりに川島を呼び戻した。指揮官は川島について「フィジカルの状態を見るために呼んだ」と話した後、こう続けた。「彼には経験、クオリティーがある。A代表で数年にわたって先発でした。今度は彼が先発を奪わなければいけない立場になった。つまり競争が高まった状態だと思う。彼と話した時に、“このグループに戻ってくる”という野心はかなり強かった」

 

 川島はダンディー・ユナイテッドに入団が決まるまで数カ月の浪人生活を送っていた。指揮官は川島のフィジカルコンディションをチェックする意味合いが強い招集だと示唆したが、わざわざGK招集枠を1つ増やしてまで呼んだあたりから川島に対する期待の高さを伺わせた。

 

「本田以外に点を取れる選手を探さないといけない」とハリルホジッチ監督が選んだ選手がハーフナーと小林だ。ハーフナーはオランダ1部リーグで24試合13得点と好調を維持している。指揮官は194センチの長身FWの具体的な起用法を明かす。

「この2試合ではマイクの頭を狙っていくというのは大事になってくる。組み立てが難しかったらマイクにロングボールを送る。そして背後に走った選手にフリックを使う、もしくは折り返してシュートを狙う。日本人にこういったタイプの選手は少ない。第1試合のアフガニスタンは、おそらくかなり引いてくる。もしかしたら有効になる選手かもしれない」

 

 もうひとりのストライカーは、これまで代表招集を受けながら度重なるケガにより、幾度も辞退や離脱をしてきた小林だ。彼に対する指揮官の評価は高い。「(7日から9日に行なわれた)ミニ合宿でかなりのクオリティーを見せてくれた。右サイド、真ん中もできる。そして彼はゴールゲッターとしてのクオリティーがある」。ミニ合宿後、インフルエンザに感染したのが気がかりだが、Jリーグでも3戦3発と結果を出しているだけにハリルホジッチ監督も期待の逸材だ。

 

 日本代表は現在、アジア2次予選のE組で勝ち点16の首位を走る。2位シリアの勝ち点は15で、日本との差は僅かに1ポイントだ。とはいえ2次予選は通過点に過ぎない。アフガニスタンとシリアに連勝して、気持ちよく最終予選に進みたい。

 

【日本代表メンバー】

  GK

  川島永嗣(ダンディー・ユナイテッド)

  東口順昭(ガンバ大阪)

  西川周作(浦和レッズ)

  林彰洋(サガン鳥栖)

  DF

  長友佑都(インテル・ミラノ)

  槙野智章(浦和レッズ)

  森重真人(FC東京)

  吉田麻也(サウサンプトン)

  藤春廣輝(ガンバ大阪)

  酒井宏樹(ハノーファー96)

  酒井高徳(ハンブルガーSV)

  昌子源(鹿島アントラーズ)

  MF

  長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)

  柏木陽介(浦和レッズ)

  香川真司(ボルシア・ドルトムント)

  清武弘嗣(ハノーファー96)

  山口蛍(ハノーファー96)

  原口元気(ヘルタ・ベルリン)

  FW

  岡崎慎司(レスター・シティー)

  本田圭佑(ACミラン)

  ハーフナー・マイク(ADOデン・ハーグ)

  小林悠(川崎フロンターレ)

  金崎夢生(鹿島アントラーズ)

  宇佐美貴史(ガンバ大阪)

 

(文・写真/大木雄貴)