DSC09315二宮: 女子ゴルフのLPGA新人戦の加賀電子カップの他にも、昨年は市民参加型の金沢マラソンも協賛されたとお聞きしました。

塚本: 昨年の金沢新幹線開通に合わせて、金沢マラソンが初めて行われたわけですが、石川県から頼まれてご協力させていただきました。約1万2000人の方たちが走られて、応募倍率は2.9倍だったそうです。

 

二宮: それはすごい! 今は東京マラソンなど市民マラソンが盛んですもんね。

塚本: そうですね。プロ野球の中日のピッチャーだった小松辰雄さんは石川県のご出身じゃないですか。彼の娘さんがプロゴルファーだった縁もありまして、小松さんとはしょっちゅう連絡をし合う仲なんですよ。それなので「小松さん、金沢マラソンをやるから、できればスタートの時に立ち会ってよ」と頼んだんです。「いいよ」と快い返事をもらって、前夜祭から参加してくれましたね。スケジュールが合わなくて叶いませんでしたが、同じ石川県出身の松井秀喜さんにも声を掛けたんです。

 

二宮: 松井さんが来たら、さらにすごい盛り上がりを見せそうですね。

塚本: 実は松井さんはお父さんとともに、私が代表を務めているゴルフクラブツインフィールズの会員です。歌手・五木ひろしさんもメンバーなんです。彼は福井出身だから、帰る時は小松空港を経由しますから。

 

二宮: なるほど。ゴルフを通じて人間関係も広がっていくわけですね。

塚本: まぁ、本当に人のご縁っていうのは不思議なもんですね。

 

 社をあげてスポーツ推進

 

二宮: 会長は「財産は人だ」が持論だとお聞きしました。人を育てるという意味において、スポーツは重要なツールになりますね。

塚本: わが社の営業も体育会系が多いんですよ。会社の基本的な考え方も、“みんなで団結してやろう”というものがありますから。ゴルフ、野球、サッカー……。採用している営業の社員もスポーツをやっていた者が割と多いんです。非常に活動的といいますかね。そういう社員が同業他社に比べると、ウチは多いと思いますよ。

 

DSC09225二宮: 営業は体力も必要ですからね。

塚本: 社内でゴルフ、サッカー、テニス、マラソンのほかにもダイビング、マリンスポーツの部があるんです。そういった活動を会社として奨励しているんです。

 

二宮: 社内における部活動みたいな感じですね。

塚本: そうなんです。だから20人以上集まると、会社からもサポートをします。そういう活動をみんなで協力してすることもコミュニケーションの一種ですね。

 

二宮: 会長ご自身もスキューバダイビングをされているとお聞きしました。

塚本: ええ。ダイビング部の活動に参加して、東南アジアで泳ぎに行ったりします。

 

二宮: ゴルフにスキューバダイビング。なんかスポーツ三昧ですね(笑)。

塚本: 釣りも好きなんです。箱根の保養所に泊まって、宴会をやって翌日に釣りをすることもありますよ。山に登るか、海に潜るか。それで私はどちらかというと泳ぎが子供の頃から得意だった。だから上に行かず、下に潜ったという感じです。

 

二宮: では小さい頃は素潜りなども、やっていらっしゃったんですか?

塚本: はい。スキューバダイビングは素潜りやっているよりもはるかに楽ですよ。ボンベは背負いますが、水中では浮力がありますから、全然重く感じません。それから息もできますし。

 

 北陸に多いビジネス成功者

 

二宮: 会社をあげてずいぶん、スポーツに力を入れていますね。

塚本: ゴルフ、マラソン以外にもサッカーJ1リーグの川崎フロンターレやアビスパ福岡へ協賛させていただいていますし、J2リーグの京都サンガ、もちろんツエーゲン金沢も応援させてもらっています。それから、この秋にリーグが統一される男子バスケットボールのアルビレック新潟BBにも協賛しています。ソフトボールもありますね。

 

DSC09277二宮: スポーツにおける地域振興もあって、地元でゴルフ場を運営したり、ツエーゲンともお付き合いをされていると聞きました。

塚本: そうですね。やはり生まれ故郷に対する恩返しのようなものですね。

 

二宮: 社名も加賀電子ですから、世間的には石川県加賀市の会社だと認識されやすいですね。

塚本: もちろん名前の由来も加賀からきている。おかげさまで石川県でもそれなりにご認識していただけるようになりました。料理人の道場六三郎さん、パティシエの辻口博啓さんも石川のご出身ですよね。アパグループ代表の元谷外志雄さんもそうです。

 

二宮: 塚本会長を含め、石川県出身でビジネス成功者はたくさんいますね。

塚本: いえいえ、皆さんに比べたら、私はそんなに成功しているというほどではありませんよ(笑)。皆で力を合わせて、地方を盛り上げていきたいですね。

 

(第3回につづく)