競泳代表・萩野、金メダル宣言 ~リオデジャネイロ五輪水泳代表発表~
11日、味の素ナショナルトレーニングセンターでリオデジャネイロ五輪水泳選手団が発表された。会見には競泳の平井伯昌監督と競泳代表の瀬戸大也(JSS毛呂山)、萩野公介(東洋大)、小関也朱篤(ミキハウス)、池江璃花子(ルネサンス亀戸)、星奈津美(ミズノ)、金藤理絵(Jaked)、渡部香生子(JSS立石)ら男女7選手が出席した。2大会連続で代表を決めた萩野は「個人3つとリレー1つと4つの種目で代表権を獲得することができてホッとしています。目標とする金メダルに向かって、精一杯、頑張っていきたいと思っています」と力強く誓った。
今回、競泳でリオ出場権を得たのは男女17人ずつである。この数字は1964年東京五輪の38人に次ぐ大所帯だ。平井監督は「女子の若手選手の台頭が目立った。池江をはじめ今井(月)、長谷川(涼香)ら若手の選手が入ってきて、2020年に向けても大変心強い」と総括する。監督が話すように、女子の平均年齢は20.76歳と、前回のロンドン五輪よりも下回った。
監督から直々に名前を挙げられた池江は、先日の代表選考の場となった日本選手権100メートルバタフライ準決勝で日本記録となる57秒55を叩き出した。100メートルバタフライを含む4種目12レースに出場し、3種目を制した。弱冠15歳の池江は「本番では昨年達成できなかったリレーでの日本新記録更新と、個人では準決勝と決勝に残れるように頑張りたい」と語った。“ライバルは?”という問いに対して「100メートルバタフライは、誰かを目標とするのではなく、私的にはタイムを上げたい。世界で活躍するためには56秒台を出さなければいけない」と答えた。
今回、池江を含めて10代の選手が5人も代表権を獲得した。池江は「同世代が活躍してくれて自分も頑張ろうと思う。皆が注目されることで、私も気合いが入って“負けないように頑張ろう”と。一緒に行ける仲間が沢山増えて嬉しい気持ちでいっぱいです」と頬を緩めた。
選考レースで新星の活躍が目立った一方で、昨年の世界選手権(ロシア・カザン)金メダリストたちが伸び悩んだ。これには平井監督も「カザンで内定していた3名(星、渡部、瀬戸)の選手の記録が振るわなかった」と苦言を呈した。“チーム平井”の星は「五輪に内定している立場で迎えた日本選手権で高い記録で泳げなかったのは反省点です」と振り返った。星は北京、ロンドンに続く3大会連続の五輪代表。「最初は準決勝敗退、そして4年前はメダルを獲得することができて、段々ステップを踏んでいる。今回はまたその上を目指せるように、そのためには自己ベスト更新が必要不可欠」と話した。
100メートル&200メートル平泳ぎ、400メートルメドレーリレーで代表入りを果たした渡部だが、代表選考会での記録は振るわなかった。200メートル個人メドレーでは3位で五輪への出場権を逃した。「200メートル個人メドレーで代表に入れなかったのはすごく残念に思っているんですが、水泳の神様が“オリンピックでは平泳ぎに専念して頑張りなさい”ということだと思って、オリンピックに向けて、昨年に続いて良い結果を残せるように頑張りたい」と渡部。15歳で初出場した4年前のロンドン五輪は涙に暮れた。19歳の渡部はリベンジを誓う。
競泳代表は本日から第一次合宿が始まった。残り4カ月後、リオの地で「トビウオジャパン」の飛躍に期待したい。
代表選手は次の通り。
【男子】
萩野公介(東洋大)自由形、個人メドレー
入江陵介(イトマン東進)背泳ぎ
長谷川純矢(ミキハウス)背泳ぎ
金子雅紀(YURAS)背泳ぎ
小関也朱篤(ミキハウス)平泳ぎ
渡辺一平(早大)平泳ぎ
瀬戸大也(JSS毛呂山)バタフライ、個人メドレー
坂井聖人(早大)バタフライ
藤森太将(ミキハウス)
◇リレー
中村克(イトマン東進)
塩浦慎理(イトマン東進)
小長谷研二(岐阜西SC)
古賀淳也(第一三共)
松田丈志(セガサミー)
江原騎士(自衛隊)
小堀勇気(ミズノ)
◇メドレーリレー
藤井拓郎(コナミスポーツ)
【女子】
渡部香生子(JSS立石)平泳ぎ
鈴木聡美(ミキハウス)平泳ぎ
金藤理絵(Jaked)平泳ぎ
池江璃花子(ルネサンス亀戸)バタフライ
星奈津美(ミズノ)バタフライ
長谷川涼香(東京ドーム)バタフライ
寺村美穂(セントラルスポーツ)個人メドレー
今井月(愛知・豊川高)個人メドレー
高橋美帆(ミキハウス)個人メドレー
清水咲子(ミキハウス)個人メドレー
◇リレー
内田美希(東洋大)
松本弥生(ミキハウス)
山口美咲(イトマンSS)
五十嵐千尋(日体大)
持田早智(ルネサンス幕張)
青木智美(アリーナつきみ野SC)
◇メドレーリレー
酒井夏海(スウィン南越谷)