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(写真:左から男子代表の石川、北島、佐々木。女子代表の伊藤、福士、田中)

 18日、ナショナルトレーニングセンターでリオデジャネイロ五輪に出場するマラソン日本代表選手による囲み会見が行われた。前日に日本陸上競技連盟の理事会で正式に代表入りが決まった伊藤舞(大塚製薬)、福士加代子(ワコール)、田中智美(第一生命)、佐々木悟(旭化成)、北島寿典(安川電機)、石川末廣(Honda)の男女6選手全員が参加した。代表選手の中で、唯一、昨年に代表が内定していた伊藤は「2年前の合宿で、同じアパートの一室を借りていた3人のメンバーが選ばれて嬉しい」と喜びを露わにした。

 

 男子代表に選ばれた北島は、今月行われたびわ湖マラソンで2時間9分16秒の自己ベストを叩き出して日本人トップの2位に入った。北島は「びわ湖マラソンが終わって、リオ確実と言われていたが、昨日やっと発表があって安心した」と安堵の表情を浮かべていた。北島に次いで、びわ湖で日本人2位の石川は「5カ月間で劇的に強くなることはないので、びわ湖同様にいかにフレッシュな状態でスタートラインに立てるか。いつも通りの練習でいつも通りやっていけば、リオで勝負できる」と意気込む。

 

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(写真:リオへ向けて「練習あるのみ」と話す<中央>福士)

 昨日は男女ともに代表メンバーがそれぞれ会見を開いたが、福士だけはチームのホームページでコメントを残しただけだった。それもあり、福士の周りには多くの報道陣が集まった。代表が決まった瞬間を問われると、福士は「電車で移動していたら携帯がずっと鳴ってすごかった」と答えた。

 

 今年1月に開催された大阪国際女子マラソンで、福士は日本陸連が定める派遣設定記録(2時間22分30秒)をクリアしたが、「リオ内定」はもらえなかった。そのため、名古屋ウィメンズマラソンへ“強行出場”を発表して物議を醸した。結局、福士は日本陸連の説得もあり、出場には至らなかった。­

 

 福士は今回の騒動について「一発選考だったら­一番いいんじゃないですか­。­4­年に1回だけでもね。­その方が­落ち着くんじゃないんですかね」と苦言を呈す。そして「(現状だと)選考の基準がいっぱいあるので、­選ぶ方も簡単じゃん­」と、笑いながら付け加えた。

 

 今回の代表選手の中で、福士は唯一、五輪経験がある。トラック種目で04年アテネ五輪から3大会連続で出場している。13年世界選手権モスクワ大会では銅メダルを獲得しており、実績も十分だ。福士は「モスクワが終わった時から­、­次のオリンピックで“金メダルを獲りたい”と­口にしていたので、“金メダル”と言うのは普通です」と堂々の優勝宣言。日本マラソン界はアテネ五輪の野口みずき以来、頂点に届いていない。福士は「今回もイチかバチかやってみたいと思います」と形勢逆転を狙う。

 

 今回も代表選手の選考で、世間の注目を浴びたマラソン界。次はリオの地で、日本人選手の活躍で沸かせたい。