6月に入りプロ野球はシーズンの約3分の1を消化した。今は交流戦が真っ盛りである。1日の東北楽天対阪神では阪神の青柳晃洋がプロ初登板で初勝利をあげた。先発を言い渡されたのが試合前日というのだから、青柳の前夜の緊張がいかばかりであったか、想像に難くない。


 プロ初勝利といえば4月12日に勝利した千葉ロッテの二木康太は、シーズン3登板目でようやくつかんだ勝ち星だった。開幕から2試合、先発として起用されながら勝てず、首脳陣の期待に応えられなかった二木は、夜も眠れないほどに悩んだことがあったという。


 このようにプロ野球選手をはじめとして極度の緊張にさらされるアスリートにとって、プレッシャーと睡眠の関係はシビアなものだ。いかにプレッシャーをコントロールし、質のよい睡眠をとるかも好パフォーマンスを生むひとつの要素だろう。

 

 山本化学工業の山本富造社長から睡眠について興味深い話しを聞いた。体の血流と睡眠の関係だ。快眠にも同社のバイオラバーが貢献するというのだ。
 「体の血流をよくすることが快適な睡眠につながります。赤ちゃんや子供さんが眠くなってくると足や手が熱くなりますよね。あれは体の血流が活発になっているからです」
 温めて血行を促すのならば電気毛布やカイロなどがあるが、熱を発するために低温ヤケドなどのリスクがある。しかも季節を問わずに使用できるものではない。外部的な熱を遣わずに赤外線を発するバイオラバーは、その部分でも安心していつでも使用できるのだ。


 ちなみにバイオラバー使用で増加する血流量は、30歳代で1.36倍、50歳代で1.57倍、70歳代で1.73倍とのこと。たとえばバイオラバーマットを寝具として使えば血流量のアップで温かさを感じることはもちろん、体の隅々まで酸素や栄養が運ばれることになる。アスリートの体のケアにも有用だろう。

 

 そして、もうひとつ、山本社長から聞いた話がある。膝や肘などの関節についてだ。
 最近の研究によって明らかになったのは、関節は体の他の部分よりも体温が低いということ。例えば膝関節の奥の体温は32℃しかないという。

 

 この関節部分を温めることで可動域がアップすると言われている。アメリカの研究では関節を温めることで可動域角度が8.8度アップした報告もある。関節可動域の拡大はパフォーマンスの向上はもちろんケガの予防にもつながる。100の可動域を100で動かす場合と、120の可動域を100で動かす場合、どちらがケガのリスクが少ないかは明白である。

 

 関節を温めるのにもバイオラバーが強い味方となる。電気などを使用して赤外線を発する装置もあるが、1日の利用時間に制限がある。国の規則により24時間中60分しか使えないのだ。外部的な熱を利用しないバイオラバーなら恒常的に使用して、血流を向上させて関節部分の温度を上げられる。可動域アップでよりケガのリスクを減らすことで、さらなるパフォーマンスアップも期待できるだろう。

 

 そういえば関節の話しで思い出したことがある。広島や巨人で活躍したサウスポー投手の川口和久は、若手時代に解説者の金田正一に「ピッチャーが半袖を着るな!」と注意されたと語っていた。

 

 「肩や肘を冷やすな」と口を酸っぱくしていた先人たちの教えは、案外的を射ていたのかもしれない。