3日(日本時間4日)、国際オリンピック委員会(IOC)総会がブラジル・リオデジャネイロで行われた。2020年東京五輪で開催地が追加提案していた野球・ソフトボール、空手、サーフィン、スポーツクライミング、スケートボードの5競技18種目が承認された。これにより野球とソフトボールは北京五輪以来の復活。空手、サーフィン、スケートボードの初採用が正式に決定した。

 

 満場一致の決定だった。4年後の東京五輪に野球・ソフトボール、空手、サーフィン、スポーツクライミング、スケートボード加わった。野球・ソフトボールは12年ぶりに復活となり、そのほかの4競技は初の採用だ。五輪に新しい風が吹き込んだ。

 

 すべてはIOCのトマス・バッハ会長の肝いりで進められた「オリンピックアジェンダ2020」によって動き出した。2014年12月にモナコで行われた第127次IOC総会において採択された改革案。これにより開催地が条件付きで追加する競技種目をIOCに提案できる権利が生まれた。2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は検討会議を行い、最終的には5競技18種目のパッケージを提案した。リオデジャネイロ五輪の開幕が迫る中、望み通りの回答を得ることができた。

 

 組織委の森喜朗会長は「今回の機会はオリンピックアジェンダ2020にて私たち東京2020組織委員会に与えられた画期的な取り組みでありました。これを実施する大会としての責任を感じております。東京2020大会は、この追加種目を通じて、国民の皆様に喜んでいただき、次世代を刺激し、そして未来のオリンピックのあるべき姿を示すモデルケースとなる大会を目指してまいります。『あの東京2020年大会が現代のオリンピックの転換期だった』と後世に語り継がれるよう、この決定をしっかりと受け止め、関係団体、会場予定地とともに大会準備を進めて参ります」とコメントした。

 

 だが今回選ばれた5競技18種目は2020年の東京五輪限られたもので、それ以降の残留は保証されていない。今後も精力的な活動が求められることになるだろう。会場や日程の調整など大会への準備はまだまだ道の途中だ。組織委も各競技団体もこれからが勝負である。

 

(文/杉浦泰介)