9日(日本時間10日)、この日、最後の競泳決勝となった男子800メートルリレーで、日本(萩野公介・東洋大、江原騎士・自衛隊、小堀勇気・ミズノ、松田丈志・セガサミー)が3位に入賞。64年の東京オリンピック以来となる表彰台を獲得した。1位はアメリカ、2位にはイギリスが入った。

 

 「最高のメンバーが揃った。メダルをとりにいきます」
 日本のエース、萩野はこう語って64年東京以来となる自由形800メートルリレーでの表彰台登壇を誓った。
 第一泳者の萩野はスタートから積極的なレースを見せた。日本記録を上回るペースでトップのオーストラリアを追った。

 

 「昨日のレースみたいな失敗は許されないので積極的にいった」
 9日(日本時間)に行われた男子200メートル自由形決勝で、萩野は前半のスローペースで余力を残して7位に終わった。その反省を糧にした萩野は序盤からハイペースで泳ぎ、2位で第二泳者・江原につないだ。
 ここでトップはオーストラリアに代わってアメリカが立ち、2位との距離を広げていった。0.28秒だった日本とアメリカの差は100メートルのターンで0秒91差、第三泳者につないだときには2秒11にまで広がったが、江原は2位をキープした。

 

 第三泳者は小堀、3位に上がったイギリスに追い上げられたものの、「前の2人がいい泳ぎ、いいタイムでつないでくれた。自分の仕事をやりきろうと思った」と言うとおりに、きっちりと2位を守ったまま最終泳者の松田へとつないだ。
 松田は今回のリオで、この800メートルリレーが唯一の出場レースだ。最後の50メートルでイギリスに2位の座を奪われたものの、3位に粘りきり、日本に銅メダルをもたらした。

 

「いい位置でつないでくれたので、なんとかメダルをとりたいという一心で泳いでいた。このメダルをきっかけに、若い選手が日本の自由形を強くしてくれることを願ってます」
 64年東京以来、同種目でメダルを獲得した日本競泳陣。それをまとめたキャプテン松田の目には、2020年東京で躍進するさらに成長した若手の姿が見えているに違いない。