21日(日本時間)、サッカー男子リオデジャネイロ五輪の決勝、ブラジル対ドイツが行われた。前半27分にブラジルFWネイマール(バルセロナ)がFKを直接決めて先制した。後半に入りドイツが同点に追いついたが、ブラジルがPK戦を制して優勝を決めた。

 

 ネイマールが5人目のPKを決める(マラカナンスタジアム)

∪―23ブラジル代表 1―1 ∪―23ドイツ代表

        (PK-4)

【得点】

[ブ] ネイマール(27分)

[ド] マキシミリアン・マイヤー(59分)

 

 ブラジルvs.ドイツ。五輪は原則23歳以下と年齢制限はあるが、14年ブラジルW杯準決勝と同じ組み合わせになった。

 

 試合開始から両者ともに攻守の切り替えが早く、PK戦までもつれ込む決勝にふさわしい好ゲームとなった。

 

 11分、まずドイツがブラジルのゴールを脅かした。ゴール左45度の位置からMFユリアン・ブラント(レバークーゼン)が右足でシュートを放つ。このシュートはクロスバーに助けられたが、ブラジルはドイツに冷やりとさせられた。

 

 14分にはブラジルが良い形で応戦した。DFドウグラス・サントス(アトレチコミネイロ)が左サイドを突破しクロスを供給すると、FWルアン・ビエイラ(グレミオ)が左足で合わせる。このシュートは惜しくもドイツDFにヘッドでクリアーされるが、ブラジルも簡単に流れをドイツに渡さない。

 

 緊迫した中でブラジルに先制ゴールをもたらせたのは、オーバーエイジで今大会に参戦していたネイマールだった。27分、ゴールから28メートル左サイドでネイマールがFKを獲得。このFKをネイマール自らがゴール左サイドに決めた。このままブラジルが1点をリードし、試合を折り返す。

 

 後半に入ると、今大会、無失点で勝ち上がってきたブラジルがついに失点を喫する。ドイツに中盤でボールをカットされ左サイドを崩される。右サイドバックのジェレミー・トルヤン(ホッヘンハイム)がゴール前に折り返すと、MFマキシミリアン・マイヤー(シャルケ04)がこのクロスに右足インサイドで合わせ、ゴール左に流しこんだ。

 

 同点に追いつかれたブラジルはなんとかドイツを突き放そうと後半残り時間、延長の前後半とボールを動かすがドイツゴールを割るに至らなかった。

 

 試合はPKへともつれ込んだ。先攻ドイツ、後攻ブラジルともに4人連続で成功したが、5人目のキッカーで明暗が分かれた。ドイツのFWニルス・ピーターゼン(フライブルグ)のゴール右を狙ったボールをブラジルの守護神ウェベルトン(アトレチコ・パラナエンセ)が見事にセーブした。

 

 ブラジルの5人目のキッカー、ネイマールは長めの助走からゴール右上を狙った。GKの逆を見事に突いてゴールネットを揺らし、母国開催の五輪で金メダルを獲得した。

 

 ブラジルは2大会連続4度目の五輪決勝の舞台で、初の金メダルを獲得。ドイツ相手に2年前の悪夢を払拭した。

 

(文/大木雄貴)