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(写真:新シーズンに向けて各チームのキャプテン、代表者が集った)

 23日、ラグビーのトップリーグは東京・台場で2016-17シーズンに向けたプレスカンファレンスを行った。今シーズンは26日の開幕戦(パナソニックワイルドナイツ対ヤマハ発動機ジュビロ、サントリーサンゴリアス対近鉄ライナーズ)を皮切りに各チーム15試合戦う。リーグは来年1月14日までの16チームによる総当たり制を4年ぶりに導入。プレーオフは行わず、リーグ戦で優勝チームを決める。

 

 歴史的なアップセットを演じた昨年のワールドカップ(W杯)に続き、リオデジャネイロ五輪でも7人制ラグビー代表が4位入賞と快挙を成し遂げた。さらに今年から日本チームが世界最高峰リーグの「スーパーラグビー」に参戦するなど日本のラグビーは上げ潮にあると言える。2019年W杯、2020年五輪と自国開催のビッグイベントを控え、大きなチャンスを迎えている。

 

 リオ五輪でキャプテンとしてチームを牽引した桑水流裕策(コカ・コーラレッドスパークス)は言う。

「まず15人制が起こしてくれた“ラグビーブームを加速させよう”と皆で話していて、オリンピックベスト4という結果で達成できた。これからセブンズの代表やサンウルブズで活躍した選手たちがトップリーグで活躍することが19年、20年の日本で開催される国際大会のこれらからにとってすごく大事なことかなと思います」

 

 14年目のトップリーグを意気揚々と迎えるのは指揮官も同じだ。ヤマハの清宮克幸監督は「オリンピック感動しました。“スポーツっていいな”と改めて思いましたね。オリンピック終わって次はラグビー。最高のタイミングでトップリーグが始まるので、“ラグビーっていいな”というムーブメントを僕たちが発信したいと思っています」と意気込んだ。

 

 史上初の4連覇がかかるパナソニックのロビー・ディーンズヘッドコーチは、勝つことだけでなく見せるプレーを標榜する。

「我々のプレーを通してラグビーをもっと見応えのあるものにしていきたいというのがあります。特にサンウルブズの活躍、今の日本の盛り上がりというものがありますので、そこにつなげていきたいというのがあります」

 オーストラリア代表などを率いた経験を持つ世界の名将も日本ラグビーの隆盛に一役買おうと考えている。

 

 近年の日本代表の活躍により、「世界との距離は確実に縮まってきている」と胸を張るのはトップリーグの高島正之チェアマンだ。13-14シーズンから現職に就任した高島チェアマンは各会場に足を運んでおり、「トップリーグも進化している。一歩一歩着実に前へいっている」と手応えを掴んだ。

 

 昨シーズンは“W杯効果”もあって、トップリーグの観客動員は過去最多の49万人を記録した。今シーズン、トップリーグは約1割増の54万人動員を目標に掲げる。ブームをムーブメントへ――。進化の真価を問われるシーズンとなる。

 

(文・写真/杉浦泰介)