13日(日本時間14日)、リオデジャネイロパラリンピックの車いすテニス男子シングルス準々決勝が行われ、第6シードの国枝慎吾(ユニクロ)は第2シードのヨアキム・ジェラール(ベルギー)にストレートで敗れた。国枝は同種目での3連覇を逃した。

 

「相手の力が上回ったゲーム。自分自身ができることはやったのかなと思います」。国枝は涙をこらえて、インタビューに答えた。シングルス3連覇の夢は途絶えてしまった。

 

 第1セットから苦しい展開だった。3つのブレークを許し、3-6で落とした。第2セットは3-4の勝負所。ブレークポイントを握られながらも何度も抵抗した。コート左右に振られても、巧みなチェアワークでボールに追いついた。しかし、最後は国枝のリターンがアウトとなり、ブレークされてしまう。ビッグサーバーであるジェラールのサービスゲームをブレークできず、万事休す。ストレート負けで準々決勝敗退となった。

 

「彼とは何度もやっていますが、一番の出来だった。すごくいいプレーをされたなと。彼が勝利に値したというのが第一印象です」と、国枝は勝者を称えた。ダブルスとの兼ね合いでタイトなスケジュールを余儀なくされた。「そこは言いわけにならない。パラリンピックで疲れたなど言っていられないですから。試合に入ったら元気な状態でした。精一杯やりました」。パラリンピック連覇中の王者は潔かった。

 

(文/杉浦泰介)