15日(日本時間16日)、リオデジャネイロパラリンピックの競泳男子100メートル自由形(視覚障害S11)決勝が行われ、木村敬一(東京ガス)が59秒63で銅メダルに輝いた。木村は4日連続のメダル獲得。1位のブラッドリー・スナイダー(アメリカ)は56秒15で世界新記録を樹立した。

 

 4日連続のメダル獲得は、裏を返せば4日連続のレース。疲労はピークに達していた。「体が動かなかった」と振り返った予選は1分2秒85の全体7位でギリギリの決勝進出だった。

 

 しかし、決勝の舞台では別人のようだった。

 

 まずまずのスタートを切った木村は前半の50メートルを4位で折り返した。ここから大きく伸びのある泳ぎで順位を1つ上げて、3位でゴール。疲れを感じさせない見事なパフォーマンスで、銅メダルを手にした。

 

 レース後、木村は「やれることをやろうと思った。コーチを含め、自分がこんな状態でも送り出してくれる強い味方がいた。感謝の気持ちでいっぱいです」と語った。

 

 前日に行われた得意種目のバタフライ100メートルでは惜しくも銀メダルに終わった。「昨日の負けはショックだったし、コンディションも良くなかったけど、ここで(メダルを)とれたのは良かった」と木村。悔しさを発奮材料にしての後半の追い上げだったのだろう。

 

 疲労困憊の木村だが、最後のエントリー種目200メートル個人メドレーが残っている。木村は「ここまで来たらやるだけ。もう1個狙って頑張ります」と力強く抱負を述べた。

 

 5個目のメダルを獲得した木村の笑顔を国民は期待している。