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(写真:G大阪は2年ぶり、浦和は13年ぶりの頂きを目指して戦う)

 14日、JリーグはYBCルヴァン杯決勝の前日会見を埼玉スタジアム2002で行った。セカンドステージ、年間順位1位と好調の浦和レッズが3年ぶり6度目、ガンバ大阪は3大会連続5回目のファイナルの舞台に立つ。会見には浦和のミハイロ・ペトロビッチ監督、MF阿部勇樹、G大阪からは長谷川健太監督とMF倉田秋が登壇し、意気込みを語った。決勝は同スタジアムで15日の13時5分にキックオフする。

 

 1日に同スタジアムで行われたリーグ戦は浦和が4-0でG大阪を制した。ゆえに浦和に分がある……。とはいかないのが一発勝負の醍醐味である。G大阪の長谷川監督は大敗を踏まえ、こう語った。

 

「(直近のリーグ戦で)コテンパンにやられた。我々は持っている力を全て出して戦うしか策はない。どんな立ち上がりになるかは試合が開始しないとわからない。難しいゲームになるが、明日のゲームはガンバのプライドを懸けて、最後の笛がなるまで必死に戦いたい」

 

 一方の浦和はカップ戦の決勝に5度進出しながらも、頂点に立ったのは1度だけだ。このことに関してペトロビッチ監督は「確かにカップ戦のファイナルで負けてきた過去がある。だが、振り返ってみるとすべてのファイナルで我々に勝利が転がってもおかしくない戦いをしてきたのも確かだ。良い戦いをしたチームが勝利するとは限らない。それがサッカーである。我々は自分たちがやってきたことを信じて戦う」と意気込む。

 

 ゲーム内容で上回っても、最終スコアで苦虫を噛む思いをすることが多い浦和。去年のチャンピオンシップでは、浦和はG大阪に苦杯をなめさせられている。登壇した阿部は「良いゲームをしても(結果的に)悔しい思いをしている。この前の大勝はもう過去のこと」といつまでも先日の勝利に浸っていない。ろっ骨を骨折している阿部だが「ここにいるということは大丈夫」と一蹴した。

 

 G大阪の攻守のキーマンとなる倉田は「熱い試合になる。先日、大敗を喫しているので“やってやろう”と思っている。浦和はビッグクラブだが、僕らにもガンバのプライドがある明日はそのぶつかり合い」と鼻息が荒い。

 

 大会名称をヤマザキビスコ杯からYBCルヴァン杯に変更してから初めて迎える決勝戦。勝利の女神がほほ笑むのは過去2度優勝しているG大阪か、1度しか優勝していない浦和か――。

 

(文・写真/大木雄貴)