15日、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦がマツダスタジアムで行われ、広島が横浜DeNAに8-7で勝利した。広島は初回、新井貴浩の先制タイムリー、ブラッド・エルドレッドの3ランなどで一挙6得点を奪う。3回までに4点を返されたが、3回裏に菊池涼介、5回裏には田中広輔がそれぞれタイムリーを放ち、リードを4点に広げた。終盤に1点差まで迫られたが、4番手以降のジェイ・ジャクソンと中崎翔太が無失点リリーフで逃げ切った。広島は通算成績でアドバンテージを含む4勝をあげ、22日からの日本シリーズへと進出した。

 

◇ファイナルステージ第4戦

 田中、驚異の出塁率8割8分2厘でMVP(広島4勝1敗、マツダスタジアム)

横浜DeNA      7 = 022|002|100

広島         8 = 601|010|00×

勝利投手 岡田(1勝0敗)

敗戦投手 今永(0勝1敗)

セーブ  中崎(2S)

本塁打  (D)梶谷1号2ラン、ロペス1号ソロ

     (広)エルドレッド3ラン

 

 第1戦、第2戦は広島が完封勝ち。第3戦はDeNAが完封勝ち。第4戦は違った試合内容となった。ヒットの数は広島が11本、DeNAが10本。最後まで手に汗握る乱打戦だった。

 広島が序盤はゲームの主導権を握った。初回、先頭の田中が10球粘った末、フォアボールで出塁すると、菊池がバントを決める。次の丸佳浩がフォアボールを選び、1死一、二塁とチャンスを広げた。4番・新井は5球目をレフト前に運び、1点を先制。なおも1死一、二塁でチャンスは続くと、このシリーズいまだ無安打の鈴木誠也からも適時打が飛び出した。
 
 カープの猛攻はまだまだ止まらない。1死一、二塁で打席に入ったエルドレッドが、初球をライトスタンドに放り込んだ。ダイヤモンドを悠々と一周し、3点を追加。打線はさらに勢い付き、小窪哲也がセンター前ヒットで出塁する。次の石原慶幸は空振り三振に倒れたが、ピッチャーの岡田明丈が内野安打でつないだ。2死一、二塁で打順は先頭の田中に戻る。CS絶好調の田中はライト前タイムリーを放った。広島は打者一巡の猛攻で、初回で6点を奪った。

 大量援護をもらった岡田は、2回表にランナーを背負うと、焦りがプレーに表れてしまう。エリアン・エレラが放った打球のベースカバーに入った岡田は、新井の送球を捕れず、1死一、三塁と自らピンチを広げる。次の倉本寿彦にライト前にタイムリーを打たれた。さらにライトを守る鈴木の三塁への送球が逸れる間に、エリアンも還ってきた。広島は守備の乱れで一気に2点を失った。

 岡田のピッチングは安定せず、3回表には梶本隆幸に2ランを浴びた。だが、それ以降は粘りのピッチングをみせて、これ以上の失点を許さなかった。岡田の粘投に打線も応えて、3回裏に菊池、5回裏には田中のタイムリーでリードを4点に広げる。

 広島ペースのまま試合は進むかと思われたが、DeNAは粘り強く反撃してきた。6回表に2番手の一岡竜司が2点を失い、7回表には3番手の今村猛がホセ・ロペスに2ランを浴びる。これ以上の失点を防ぎたい広島は、8回表にセットアッパーのジェイ・ジャクソンを送る。今季37ホールドをあげたジャクソンは三者凡退に抑えて、ベンチの期待に応えた。

 1点リードで迎えた最終回は、守護神の中崎がマウンドに上がる。桑原将志と梶谷をフライで打ち取り2アウト。ロペスにフォアボールを与えたが、最後は4番・筒香嘉智を空振り三振に仕留めてゲームを締めた。

 これで広島は25年ぶりの日本シリーズ進出を決め、32年ぶりの日本一まではあと4勝となった。チームの指揮を執る緒方孝市監督は、「さらに厳しい戦いになると思います。ただひとつ。カープの戦いをするだけです。全力で頑張ります!」と、日本一を誓った。