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(写真:「本番に向けて、結束力を高めたい」と意気込む小久保監督)

 18日、都内で侍ジャパンの小久保裕紀監督が、来月開催される「侍ジャパン強化試合」(メキシコ代表戦、オランダ代表戦)に出場する選手28名を発表した。昨年3月の侍ジャパン強化試合に出場したメンバーから、平田良介(中日)、西勇輝(オリックス)らが外れ、ルーキーの石田健大(横浜DeNA)をはじめ、田口麗斗(巨人)、鈴木誠也(広島)など初代表8名が新たに加わった。今季パ・リーグ王者の北海道日本ハムからは、12球団最多となる6名が選出された。

 

 「バッテリーを中心とした投手力。これが日本の強み」

 代表選手の名前を読み終えた後、小久保監督はこう語った。

 

 今回選出された投手14名のうち、先発10人、中継ぎ2人、抑え2人という割合だ。

 先発は、二刀流の大谷翔平(日本ハム)をはじめ、今季セ・リーグ最多勝の野村祐輔(広島)、パ・リーグ最優秀防御率の石川歩(千葉ロッテ)、セ・リーグ最優秀防御率の菅野智之(巨人)など、錚々たる顔ぶれが揃った。その中で、今季7勝11敗とシーズンを通して振るわなかった藤浪が代表入り。「(権藤博)投手コーチの強い推薦があった」と、小久保監督は説明した。

 

 昨年のプレミア12では“中継ぎ不足”が問題となったが、今回はその点も改善されつつある。両リーグ屈指のサイドハンダーが代表に名を連ねた。パ・リーグ最多の39ホールドをあげた左の宮西尚生(日本ハム)、2年連続70試合以上に登板した右の秋吉亮(東京ヤクルト)が選ばれた。

 

 小久保監督は“投手力”をいかんなく発揮するためのキーポイントは、キャッチャーにあるという。「キャッチャーのレギュラーが決まっていない状態なので、キャッチャーの強化をしてい­きたい」と口にし、今回初招集された大野奨太(日本ハム)を­注目選手のひとりにあげた。­

 

 二刀流・大谷の起用法については、「投打ともに日本のトップクラスだと認識している。両方できる貴重な選手なので、負担がかかりすぎないように本人としっかり配慮して考えたい」と、明言を避けた。

 

 一方、野手は昨年のプレミア12でクリーンアップを務めた平田が外れ、柳田悠岐や内川聖一のソフトバンク勢が代表入りした。過去に小久保監督は「4番・中田」と言い切っていたが、今回は「まだ決めていない」と濁した。2年連続トリプルスリーを達成した山田哲人(ヤクルト)、3年連続ゴールデングラブ賞を獲得中の菊池涼介(広島)を揃えるセカンドは熾烈なポジション争いが予想される。そのことを問われると、「2人(山田と菊池)素晴らしい選手がいる。しかし、ポジションは1つしかないので、­世界一を­獲りに行くにあたって­違う­ポジションを守ってもらうこともある」と話した。

 

­ プレミア12の準決勝で韓国に逆転負けを喫してから、約1年。「あの悔しさは忘れることはない」。指揮官は、来年3月にWBCで世界一奪還することを誓った。そのためにも、まずは来月の強化試合でしっかりと結果を残したい。

 

 招集メンバーは以下の28名。

 

<投手>

 

大谷翔平(日本ハム)、増井浩俊(日本ハム)、宮西尚生(日本ハム)、武田翔太(福岡ソフトバンク)、千賀滉大(ソフトバンク)、石川歩(千葉ロッテ)、中崎翔太(広島)、野村祐輔(広島)、菅野智之(巨人)、田口麗斗(巨人)、山崎康晃(DeNA)、石田健大(DeNA)、藤浪晋太郎(阪神)、秋吉亮(東京ヤクルト)

 

<捕手>

 

大野奨太(日本ハム)、嶋基宏(東北楽天)、小林誠司(巨人)

 

<内野手>

 

中島卓也(日本ハム)、中田翔(日本ハム)、松田宣浩(ソフトバンク)、内川聖一(ソフトバンク)、菊池涼介(広島)、坂本勇人(巨人)、山田哲人(ヤクルト)

 

<外野手>

 

柳田悠岐(ソフトバンク)、秋山翔吾(埼玉西武)、鈴木誠也(広島)、筒香嘉智(DeNA)

 

(文/安部晴奈)