5日(現地時間)、陸上・男子ハンマー投げの決勝が行なわれ、室伏広治(ミズノ)が3投目に78メートル71をマークし、銅メダルを獲得した。金メダルは80メートル59を出したクリスティアン・パルシュ(ハンガリー)。一方、100メートル男子決勝ではウサイン・ボルト(ジャマイカ)が9秒63の五輪新記録で、北京に続いて2大会連続で金メダルに輝いた。
 2大会ぶりの獲得を目指していた金メダルには届かなかった。予選を78メートル48の2位で通過した室伏だったが、決戦となったこの日は思うような投擲ができず、苦しんだ。1投目でファウルを取られると、首をかしげるようなしぐさを見せた室伏。判定に納得がいかず、審判に説明を求める。これでリズムを狂わせたのか、いつものような伸びが見られなかった。

 それでも2投目には力強い雄叫びをあげ、78メートル16を出す。そして続く3投目には78メートル71を投じ、その時点で3位に入った。しかし、その後は振るわず。4投目は78メートル09、5投目は77メートル12、そして最後の6投目は76メートル47に終わった。大台の80メートルを越える投擲をすることはできず、結局、3投目が最高スコアとなり、銅メダル。今大会の陸上では初、そして自身としては2大会ぶりのメダル獲得となったものの、本来の力を発揮することができず、室伏に満面の笑顔は見られなかった。

 一方、男子100メートル決勝では、世界記録保持者のボルトが登場し、世界中が注目した。会場ではスタート地点に向かうボルトに対し、無数のフラッシュが光り、人気の高さをうかがわせた。

 元世界記録保持者のアサファ・パウエル(ジャマイカ)、昨年の世界選手権覇者ヨハン・ブレーク(ジャマイカ)、アテネ五輪金メダリストのジャスティン・ガトリンという錚々たるメンバーがそろう中、スタートではそのライバルたちにリードを許した。だが、ボルトは中盤から一気に加速し、瞬く間にトップに躍り出ると、後続を突きはなし、ゴールを駆け抜けた。そして、お決まりの天に向かって弓矢を引くポーズで自らの勝利を祝い、健在ぶりをアピールした。

 世界記録更新とはならなかったが、五輪記録で堂々の金メダルに輝いたボルト。同種目での連覇は、1984年ロサンゼルス五輪、88年ソウル五輪のカール・ルイス(米国)以来、史上2人目の快挙となった。ボルトの最大のライバルとされていたブレークは9秒75で2位、3位にはガトリンが9秒79で入った。