(写真:日本体育協会と交渉に入る意向を示した岩上事務総長)

(写真:日本体育協会と交渉に入る意向を示した岩上事務総長)

 日本サッカー協会(JFA)は20日、都内で第10回理事会を開き、「国民体育大会(国体)少年女子(U-16)の部創設の提案」を承認した。今後、JFAは日本体育協会との交渉に入る。

 

 JFAが女子のサッカー環境にメスを入れる。なでしこジャパンがリオデジャネイロ五輪の出場権を逃したことを受け、裾野拡大に着手する。

 

「5000」「3500」。2つの数字が深刻な事態を表している。

 

 実はこれ、年代別女子のサッカー人口なのだ。12歳女子のサッカー人口は5000人。しかし、1つ年齢が上がるだけでその数は3500人に減少する。3割の少女たちがサッカーから離れてしまうのである。

 

 なぜ、なのか。

「女子の場合、中学生になるとサッカーをする場がなくなってしまって、選手数が減ってしまう」とJFA事務総長の岩上和道は説明する。

 

「その年代をもう少し活性化するためにも、少年女子(U-16)を国体の中で創設したい」

国体におけるサッカーのカテゴリーは「成年男子(17歳以上)」「少年男子(16歳以下)」「女子」の3つ。男子は年齢で2つに分けられるが女子は「女子」と一括りにされてしまっている。その打開策が少年女子(U-16)の部の創設だ。

 

 だが、問題点もある。現在、国体は総枠を減らす傾向が強い。単純に枠を増やすということにはならないだろう。「男子を減らすなどしないと、たぶんできないであろうと予見されている。ただ、非常に重要な年代なのでぜひ、女子委員会の方も含めてすすめていきたい」と岩上は口にする。

 

 なでしこジャパンを世界のトップクラスへと返り咲かすべく、JFAの鼻息は荒い。国体の少年女子(U-16)の部創設は、サッカーを始めた女子が中学生になっても続けられる環境作りの一助になるはずである。

 

(文・写真/大木雄貴)