29日、2016明治安田生命J1リーグセカンドステージ第16節が各地で行われ、首位の浦和レッズはアウェーで16位のジュビロ磐田と対戦した。引き分け以上でセカンドステージ優勝が決まる浦和は後半27分にMF武藤雄樹のヘディングシュートで先制。この1点を守り切り、リーグ戦1試合を残してセカンドステージ優勝を決めた。

 

 武藤、技ありヘッド弾(エコパ)

ジュビロ磐田 0-1 浦和レッズ

【得点】

[浦] 武藤雄樹(72分)

 

 セカンドステージ優勝のかかる浦和にとっても、残留争いをしている磐田にとっても勝ち点が欲しいゲームだった。

 

 開始早々から浦和が磐田ゴールを脅かした。DF遠藤航が左サイドにポジションを取るMF関根貴大にロングフィードを送る。関根がドリブルでサイドをえぐりクロスを上げた。中で待ち構えたFW興梠慎三が左足でボレーを放つも、シュートはクロスバー直撃。幸先良く先制点とはならかった。

 

 さらに浦和は17分に武藤が右サイドからの折り返しを右足でボレーを放ったが、ゴール左へ外してしまう。32分にはゴール中央、ペナルティーアーク付近のFKをMF柏木陽介が直接狙った。しかし、今度は右ポストに阻まれた。試合はこのままスコアレスで折り返す。

 

 決定機を幾度も作りながらも決め切れない。昨季までの浦和ならば、攻め急ぎ失点を喫することがしばしばだったが、我慢を覚えた浦和は慌てることはなかった。時に磐田のカウンターを浴びながらも、要所を抑えて得点を許さない。

 

 すると後半27分、後ろで耐える守備陣の頑張りに背番号9が結果で応える。MF駒井善成が右サイドを突破しマイナスのクロスを上げる。ゴール中央で待ち構えていた武藤が下がりながら体をひねり頭で合わせる。シュートは威力こそなかったが、ワンバウンドしてゴール左隅に決まった。「下がりながらだったが、しっかりボールを捉えようと思った。良いコースに(シュートが)飛んでくれた」と武藤。クロスを供給した駒井は「ニアを越えるように(クロスを)上げた。狙い通り」と得点シーンを振り返る。

 

 浦和はその後、磐田にチャンスらしいチャンスを与えることなく、無失点でゲームセット。リーグ戦6連勝の浦和は最終節を残して、セカンドステージの優勝を決めた。貴重なゴールを決めた武藤は「1点取った後にもチャンスはあった。これから優勝(チャンピオンシップ制覇)を目指すためには、2点、3点取れるチームにならないといけない。これで終わりではない。チャンピオンシップでもゴールを決めてチームの勝利に貢献したい」と述べた。

 

 浦和は今節の勝利でクラブ新記録となる年間勝ち点73をマーク。年間順位は2位の川崎フロンターレとは、わずか1差だ。最終節の横浜F・マリノス戦で勝利し、年間1位を目指す。

 

(文/大木雄貴)