7日、卓球の女子団体決勝が行なわれ、日本は連覇を狙う中国と対戦した。第1試合では福原愛(ANA)が今大会シングルス金メダルの李暁霞相手に第2ゲームを奪ったものの、1−3で落とした。第2試合の石川佳純(全農)は世界ランキング1位の丁寧から1ゲームも取れず、続く第3試合のダブルスでは石川、平野早矢香(ミキハウス)組が1ゲームを奪い、粘りを見せるも、結局1−3で敗れ、日本はセットカウント0−3のストレー負け。しかし、それでも男女通じて初のメダルとなる銀メダルを獲得し、日本卓球界に新たな歴史を刻んだ。

日本(福原愛、石川佳純、平野早矢香) 0−3 中国(李暁霞、丁寧、郭躍)
(福原 1−3 李)
(石川 0−3 丁)
(石川、平野 1−3 李、郭)
 中国の壁は分厚く、高かった。準決勝でシンガポールを破り、日本卓球史上初の決勝進出を果たした日本。金メダルを狙ったものの、世界王者相手に為す術もなかった。
 第1試合では日本のエース福原が李に挑んだ。第1ゲーム、開始早々に4連続ポイントを奪われるなど、その後もリードを広げられる。中盤には福原も4連続ポイントを奪取し、粘りを見せたが、このゲームを落とす。第2ゲームもリードされる展開となったが、福原はラリーで粘ってからの強打で活路を見出す。5−9から怒涛の6連続ポイントを奪い、劇的な逆転勝利でゲームカウントを五分に戻した。しかし、これが逆に相手の闘志に火をつけたかたちとなった。第3ゲーム、福原はわずか2点しか取ることができず、第4ゲームもなんとか一矢報いようとしたものの、本領発揮の金メダリストには歯が立たなかった。結局、福原はゲームカウント1−3で敗れた。

 続く第2試合では、今大会シングルスで日本勢過去最高の4強入りした石川が、昨年の世界選手権覇者の丁と対戦した。石川は第2ゲームこそ、10−12と相手を追い込み、接戦を演じたものの、世界ランキング1位ながら銀メダルに終わったシングルスの鬱憤を晴らすかのように強烈な打球を放つ相手に圧倒され、ほぼ完敗に終わった。

 後がなくなった日本は、第3試合のダブルス、石川、平野組で挑んだ。しかし、第1ゲームはいきなり5連続ポイントを奪われる。しかし、そこから日本は3連続ポイントを奪うなど、粘りを見せる。ジリジリと追い上げ、6−7と1点差に迫ったが、ここから中国に4連続ポイントを奪われ、このゲームを落としてしまった。続く第2セットはわずか3点しか奪うことができず、日本は崖っぷちに立たされた。

 しかし、日本は最後まで諦めなかった。第3ゲームは相手のミスもあり、8−4と大量リードを奪う。中国もここから追い上げを見せるも、このゲームは11−9で日本が逃げ切った。勢いそのままに、続く第4ゲーム、日本は出だしで3連続ポイントを奪って、リードする。しかし、すぐさま中国が3点を奪い返し、試合を振り出しに戻した。日本は5−5までシーソーゲームを繰り広げたものの、そこから中国に怒涛の6連続ポイントを奪取され、ゲームカウント1−3で敗れた。

 この結果、日本は北京王者の中国に完敗。それでも、男女通じて五輪では日本勢初のメダル獲得は、日本卓球史上に残る快挙だ。2008年北京五輪では3位決定戦で韓国に敗れ、惜しくも4位でメダルを逃した日本。まずはその雪辱を果たしたと言っていい。今後は世界頂点への挑戦が始まる。