8月8日(水)
◇1回戦
 菅原、5安打10奪三振の完投
福井工大福井(福井)   4 = 300010000
常葉橘(静岡)        2 = 000020000
 開幕戦はいきなり初回に試合が動いた。先制したのは、福井工大福井だ。1回表、1死一、二塁のチャンスに4番・山下憧真(3年)が三遊間を破るタイムリーヒットを放ち、先制点をあげる。その後、馬場稔樹(3年)、ピッチャーの菅原秀(3年)にも適時打が生まれ、幸先よく3点のリードを奪う。
 福井工大福井は5回、1死二塁から伊藤舜哉(3年)がレフト線へ二塁打を放ち、さらに1点を追加。常葉橘の先発・宮崎悟(3年)をマウンドから引きずり下ろした。
 一方の常葉橘もその裏、二、三塁のチャンスから相手のバッテリーミスで2点を返すも、以降は福井工大福井の先発・菅原が立ち直る。6回からは常葉橘打線を1安打に抑え、5安打10奪三振の完投勝利。福井工大福井が8年ぶりの夏の甲子園で接戦を制した。

 4年ぶりの出場、甲子園初勝利
広島工(広島)   4 = 021010000
飯塚(福岡)     6 = 22100001×

 互いに強打が持ち味の両校。序盤は点の取り合いとなった。飯塚は1回裏、1死一、二塁のチャンスで4番・石田健太(3年)のライト前にヒットを放ち、先制。続く白石剛己(2年)のセンターへの犠飛で、飯塚が初回に2点をリードした。一方の広島工も2回表、1死二、三塁のチャンスでピッチャーの辻駒祐太(3年)がセンター前ヒット。2人の走者が還り、すぐさま同点に追いつく。
 追いつかれた直後に飯塚は突き放しにかかる。2回裏、2死二、三塁の場面で丸本大志(3年)が三遊間を抜けるヒットを放ち、再びリードを2点に広げる。ここで離されたくない広島工は3回表、2死三塁で5番・児玉卓也(3年)が三遊間を破るヒットを放ち、1点を返した。
 その後、両校が1点ずつ奪うと、以降は投手の踏ん張りから、小康状態に入る。試合が再び動いたのは8回裏。飯塚が二死から二盗でランナーを得点圏に進める。ここで檜幹也(2年)がレフトオーバーの二塁打を放ち、待望の追加点をあげた。9回表は2番手・西俊彦(3年)が三者凡退に締めてゲームセット。飯塚が持ち味の攻撃力を武器に、2回戦進出を決めた。

 エース渡辺、投打で活躍
佐賀北(佐賀)     2 = 000100010
仙台育英(宮城)   8 = 02010032×

 序盤から主導権を握ったのは仙台育英。2回裏、エースの渡辺郁也(3年)が好機にセンター前へ弾き返し、先制に成功する。続く稲沢潤(3年)の一二塁間を破るヒットでさらに1点を追加した。1点を返された直後の4回裏、渡辺のバットが再び火を噴く。1死二塁の場面で打席が回ると、ライトフェンス直撃のスリーベース。得意の打撃でリードを広げ、自らのピッチングを助ける。
 投げても渡辺は走者を許しながらも、佐賀北打線に反撃を許さない。粘りのピッチングを続けるエースにチームメイトも応える。7回裏、1死満塁から星隼人(3年)、上林誠知(2年)の連続適時打、さらに犠牲フライで得点を加え、5点差に突き放した。8回裏にも高橋竜之介(3年)のセンターオーバーの二塁打で2者が生還、勝負を決めた。
 渡辺は9安打を喫しながらも、持ち前の制球力で要所を締め、完投勝ち。エースとして、仙台育英を勝利に導いた。敗れた佐賀北は再三の好機を生かせず、初戦で去った。5年前に甲子園初制覇を成し遂げた“がばい旋風”の再現とはならなかった。