26日、日本シリーズ第4戦が行われ、北海道日本ハムが3-1で広島を下した。1点を追う日本ハムは6回に中田翔がソロ本塁打を放ち同点に追いつく。8回にはブランドン・レアードが勝ち越し2ランで逆転に成功。2点リードで迎えた最終回は宮西尚生がランナーを背負いながら、無失点でゲームを締めた。日本ハムは本拠地で連勝。勝敗を五分に戻した。

 

◇第4戦

 2番手・バース、2回をパーフェクト(日本ハム2勝2敗、札幌ドーム)

広島            1 = 000|100|000

北海道日本ハム     3 = 000|001|02×

勝利投手 谷元(1勝0敗)

敗戦投手 ジャクソン(0勝1敗)

セーブ   宮西(1S)

本塁打   (日)中田1号ソロ、レアード2号2ラン

 

 主砲・レアードの一発で日本ハムが2連勝を収めた。

 

 日本ハムは4回表にまさかの守備のミスで、広島に1点を献上してしまう。2死一塁で、ブラッド・エルドレッドがセンターに放った打球をセカンド田中賢介、センター岡大海、ショート中島卓也、ライト近藤健介がお見合いする。誰も捕球することができず、打球はポトリと落ちた。その間に一塁走者の新井貴浩がホームイン。

 

 野手の連携ミスで、広島に先制点を与えた。嫌なムードを、振り払ったのは4番・中田の一発だった。1点を追いかける6回裏、この回先頭の中田は初球を積極的に振り抜いた。高く舞い上がった打球はレフトスタンドへ。中田はダイヤモンドを悠々と周り、チームに待望の得点をもたらした。

 

 その後は1-1のまま両軍譲らぬ展開が続く。試合が動いたのは8回裏だった。2死一塁で打席に立ったのはレアード。第1打席はファウルフライ、第2打席は2死二、三塁のチャンスでショートゴロに打ち取られていた。第3打席は見逃し三振と広島投手陣に封じ込まれていた。

 

 ここまでノーヒットのレアードは3番手のジェイ・ジャクソンが放ったスライダーを振り抜いた。打球が飛んだ瞬間、球場中は日本ハムファンの歓声が響き渡る。打球はぐんぐん伸びて、バックスクリーンに飛び込んだ。

 

 レアードの一発で勝ち越した日本ハムは、最終回は宮西がマウンドに上がる。宮西は2死後、代打の會澤翼にフォアボールを与えると、田中広輔、菊池涼介に連続ヒットを浴びて2死満塁のピンチを招いたが、丸佳浩を空振り三振でゲームを締めた。

 

 試合後、決勝弾のレアードは「負けられない試合だったので、2ランを打てて幸せな気分です」と喜んだ。開幕から2連敗しながら、タイにした日本ハムは、10年ぶり日本一へと弾みをつけた。

 

(文/安部晴奈)