29日、日本シリーズ第6戦がマツダスタジアムで行われた。北海道日本ハムは10-4で広島に勝利し、10年ぶりの日本一を達成した。日本ハムは1-2と1点ビハインドの4回に西川遥輝の2点タイムリーなどで逆転に成功する。6回に同点に追いつかれたが、8回に中田翔が満塁で押し出しフォアボールを選び勝ち越した。さらにアンソニー・バースが適時打で続き、ブランドン・レアードが満塁本塁打を放って、一挙6得点をあげた。最終回は谷元圭介が無失点で抑えてゲームを締めくくった。

 

◇第6戦

 2番・中島、全打席出塁(日本ハム4勝2敗、マツダスタジアム)

北海道日本ハム    10 = 100|300|060

広島         4 = 020|011|000

勝利投手 バース(3勝0敗)

敗戦投手 ジャクソン(0勝2敗)

本塁打  (日)レアード3号満塁

     (広)丸1号ソロ

 

 日本ハムは前戦から打順を大幅に入れ替えて、日本一を掴みにかかった。第5戦でサヨナラ満塁打を放った西川を2番からトップバッターに、中島卓也を9番から2番に、岡大海を1番から3番に、5番のレアードと6番の近藤健介を入れ替え、スタメンマスクは大野奨太が被った。好調な西川を先頭に置いた栗山英樹監督の采配は、見事に的中した。

 

 初回、トップバッターの西川がスリーベースを放つと、中島がフォアボールを選んで出塁する。無死一、三塁で岡が内野安打を放ち、西川が還った。先制点を奪った日本ハムだったが、2回裏に先発・増井浩俊のワイルドピッチとレアードのエラーで2点を奪われる。

 

 1点を追う4回表に、第1打席で先制点の起点となった西川が再び躍動する。まず無死一、二塁で田中賢介がタイムリーヒットを放ち、同点に追いつく。続く大野、代打・矢野謙次が倒れて2アウトとなった。

 

 打順はトップバッターの西川に戻る。西川はカウント1-1から3球目のカーブを振り抜く。打球はライトの頭上を越え、ランナー2人が生還。西川の走者一掃のタイムリースリーベースで4-2と逆転に成功する。

 

 逃げ切りを図りたい日本ハムだったが、リードを守り切れなかった。5回裏に2番手の鍵谷陽平は丸佳浩にソロ本塁打を浴び、1点差に迫られる。6回裏には、2死二、三塁で代打・下水流昂が放った打球をショートの中島がダイビングキャッチ。2人の生還は防いだものの、同点を許した。

 

 4-4で迎えた8回表、ここまで2本の三塁打を打っている西川がビッグイニングを呼び込んだ。2死ランナーなしから、西川は4番手のジェイ・ジャクソンからヒットで出塁すると、中島、岡が連続ヒットを放った。

 

 2死からの3連打で満塁の好機を作り、打席には4番の中田翔が入る。すると、ネクストバッターズサークルには大谷翔平が登場。これにプレッシャーを感じたのかマウンドのジャクソンはコントロールが定まらない。中田はストレートの押し出しフォアボールを選んで、勝ち越しに成功する。

 

 なおも2死満塁のチャンスは続くと、大谷はベンチに戻った。代打は送らずピッチャーのバースがそのまま打席に立つ。バースは2球目をセンター前に運び、1点を追加した。押せ押せのムードで、5番のレアードは試合を決める満塁ホームランを左中間スタンドに放り込んだ。日本ハムは西川のヒットから一挙6得点をあげて、広島を一気に突き放した。

 

 8回裏は続投したバースが、3者連続三振に切って取った。6点差のまま迎えた最終回は、谷元が1人のランナーを許したものの、ラストバッターの菊池涼介をセカンドフライに打ち取った。

 

 日本ハムは2006年以来、10年ぶり3度目の日本一を達成。栗山監督は就任5年目で初の日本シリーズ制覇だ。8度宙に舞った栗山監督は、「最後に大きく離されながらも、諦めないでここまできた。1試合ごとに選手たちが成長した姿を本当に実感できた。選手たちをほめてあげて下さい」と笑顔でナインを称えた。