8月10日(金)
◇1回戦
 宮里、先制弾&2度登板で逃げ切る
愛工大名電(愛知)  4 = 000202000
浦添商(沖縄)     6 = 02300010×
【本塁打】
(浦)宮里
 浦添商が愛工大名電の好投手・浜田達郎(3年)を攻略し、4強入りした4年前以来の勝利をあげた。
 MAX147キロの左腕・浜田を最初にとらえたのは2回。先頭の4番・投手の宮里泰悠(3年)が浜田自慢のストレートを右中間へ運ぶ。打球はグングンと伸びてスタンドへ飛び込む先制アーチとなった。浦添商はさらに1死一、三塁のチャンスをつくり、8番・喜瀬由希(2年)がスクイズ。小技も絡めて2点を先制する。
 なおも4回、浦添商はヒットと相手のミスが重なって満塁の好機。ここで呉屋良拓(3年)がスライダーをとらえてライトフェンス直撃の三塁打を放ち、走者がすべて還って3点を追加した。浜田にとっては序盤に5点を失う苦しい展開となる。
 愛工大名電は直後の4回に相手のエラーに乗じて2点を返し、なおも6回には浦添商2番手の照屋光(3年)から、4番の鳥居丈寛(3年)が左中間へタイムリー二塁打を放って反撃する。照屋は制球が定まらず、この後、3つの四死球を与えて押し出し点を献上。愛工大名電が1点差に詰め寄った。
 しかし、浦添商は7回に2死二塁から大城利修(2年)がライト前へ運び、貴重な追加点。8回からは先制弾を放っている宮里が再びマウンドに上がり、愛工大名電の得点を許さなかった。愛工大名電は県大会では堅守を誇っていたが、3失策と守備が乱れたのも痛かった。

 主将・沢田、勝ち越し犠飛
滝川二(兵庫)     5 = 100030010
北大津(滋賀)     4 = 10210000×
 
 追いつ追われつのゲームは終盤に決勝点をあげた滝川二が8強入りした1999年の大会以来の勝利を収めた。
 初回に1点ずつを取り合い、先にリードを奪ったのは北大津。3回、森井良俊(3年)、東明生(2年)の連続長打で1点を奪うと、相手の送球ミスもあり、一気に打者走者まで生還して2点を勝ち越す。
 さらに4回に1点を加えて4−1となり、北大津ペースで試合が進むかと思われた5回、今度は2死二塁から失策が出て1点を返される。なおも2死一、二塁となり、藤川弘樹(3年)の飛球はセカンドの後方へポトリと落ちて1点差に。さらにこの後、投手の則本が痛恨のボークを犯し、滝川二が一気に同点に追いついた。
 以降はお互いに得点圏へ走者を進めながら、滝川二の佐藤智貴(3年)、北大津の則本が踏ん張り、勝ち越し点を許さない。均衡が破れたのは8回だ。滝川二は先頭の藤川が二塁打で出塁すると、4番で3安打を放っている馬場修平(3年)に敢えて送りバンドを命じ、1死3塁とチャンスを広げる。この采配に続く主将の沢田昌吾が応えて、センターへ犠牲フライ。県大会では7試合で27犠打を決めて勝ち上がった滝川二が、甲子園でも小技を絡めて貴重な1点をもぎとり、逃げ切った。

 継投決まり、接戦制す
宮崎工        1 = 000001000
天理(奈良)     3 = 00000210×

 夏26回の出場を誇る天理が少ないチャンスをモノにして逆転勝ちした。
 試合は宮崎工・長友宥樹(3年)、天理・中谷佳太の先発両左腕が好投をみせ、5回までゼロ行進が続く。
 先制したのは宮崎工だ。6回、2本のヒットで2死ながら一、二塁の好機をつくると、キャッチャーの伊比井基貴(3年)がレフトへタイムリー。先発の長友の力投に女房役が応え、1点を先行した。
 だが、この1点をきっかけに試合が動く。裏の攻撃、天理は相手のエラーに乗じて、無死二、三塁と逆転のチャンスをつくる。続く綿世の打球はファーストゴロ。しかし、ベースカパーに入った投手との呼吸が合わず、一塁手の送球がそれてしまう。この間に2者が生還し、天理が逆転に成功した。
 天理は7回にもスクイズで貴重な1点を追加。7回からは右腕の山本竜也(3年)に投手をスイッチし、7回の無死一、二塁、8回の2死満塁のピンチをいずれも切り抜けて2点差を守り切った。宮崎工は終盤の得点圏を生かせず、54年ぶりの夏1勝はならなかった。

  エース平田、1失点完投勝ち
香川西    1 = 000000010
鳥取城北   3 = 00030000×

 初回、4回表と2度に渡って1死一三塁のピンチを凌いだ鳥取城北が4回裏、反撃に転じた。2死無走者から4番・佐藤晃司(3年)が内野安打で出塁すると、5番・川野翔(3年)がライト線いっぱいに入るタイムリー二塁打を放ち、鳥取城北が待望の先取点を奪った。さらに6番・小林健太(3年)、7番・木下裕悟(3年)にもタイムリーが出て、鳥取城北はこの回一挙、3点。見事な集中打で鳥取城北が試合の主導権を握った。
 一方、香川西は8回表、それまで遠かったホームにようやく届いた。2死無走者から3番・大崎拓也(3年)がこの試合2本目となる二塁打でチャンスをつくると、4番・山本祐司(2年)が三振に終わった初回の汚名返上とばかりにライト線に痛烈なヒットを放ち、香川西が1点を返した。
 しかし、反撃もここまでだった。鳥取城北が逃げ切り、2006年以来となる夏2勝目を挙げた。鳥取城北のエース平田祥真(3年)は、11安打を打たれながらも要所を締める力投で1失点完投勝ち。初戦突破の大きな原動力となった。