5日、2016明治安田生命J3リーグ第28節の1日目が行われた。今節の注目カードは12位のFC東京U-23と6位の長野パルセイロの一戦。FC東京U-23現役中学生・FW久保建英がベンチ入りした。前半に2失点したFC東京U-23は後半開始から久保をピッチへ投入。FC東京U-23は25分にFW林容平のゴールで1点差にまで迫ったが、あと1点が決められず1-2で敗れた。15歳5カ月1日での試合出場を果たした久保はJリーグ最年少出場記録を更新した。
久保、パスとドリブルで観客沸かせる(駒沢)
FC東京U-23 1-2 長野パルセイロ
【得点】
[東] 林容平(70分)
[長] 松原優吉(17分)、大島嵩弘(32分)
バルセロナの下部組織出身の久保のプロデビューの可能性があり、7653人の観客が駒沢競技場につめかけた。
FC東京U-23は試合開始から長野の早いプレッシャーに苦戦する。得意のパス回しが機能せず、前半17分に左コーナーキックからDF松原優吉に頭で合わせられ失点。32分にはロングスローでゴール前にボールを放り込まれるとDF大島嵩弘に右足でゴール右に決められた。
状況を打開したいFC東京U-23は後半開始から久保を投入した。同時にシステムを4-4-2から3-4-3に変更。25分にDF小川諒也の左からのクロスに林がヘディングで合わせてゴールネットを揺らし1点差に迫る。
33分には久保が魅せた。ピッチ中央でボールを持つと左足アウトサイドで相手DFの裏へ鋭いスルーパスを送る。惜しくも相手GKにカットされたが長野DF陣をヒヤリとさせた。37分には左サイドでボールを受けるとドリブルを仕掛ける。鮮やかなステップでDFをかわしゴール前にパスを供給。これも味方には繋がらなかったが、7653人の観客を沸かせた。
試合は久保の2度のチャンスメイクも得点には繋がらずタイムアップ。デビュー戦は1-2の敗戦となった。
試合後、久保は「グラウンドに入るときは緊張したがいつも通り動けた。パススピードが速くて足元にボールがつかなかった。最初の10分は何もできず時間がただただ過ぎていった。途中から何回か攻撃に絡めたがシュートを打てなかった」と反省を口にした。リーグ最年少出場記録を更新したことについては「記録は気にしていない」と淡々と語った。
ピッチに送り出した中村忠監督は15歳のアタッカーについてこう語る。
「ゴールに向かっていける。シュートを打てる、チャンスを作れる。そういう選手は日本人には少ない。もっともっとゴールに直結するようなプレーをしてほしい。長い目で見ていきたい」
アタッカーとしての能力はずば抜けている久保。彼の成長が日本サッカーの未来を明るくするはずだ。
(文/大木雄貴)