15日、ロシアW杯アジア最終予選のB組第5節が行われ、3位の日本代表(FIFAランキング51位)は首位のサウジアラビア代表(同54位)と埼玉スタジアムで対戦し、2-1で勝利した。試合は前半45分にMF清武弘嗣のPKで日本が先制する。後半35分にはFW原口元気がW杯アジア最終予選4試合連続ゴールを決めて突き放した。日本は試合終了間際にサウジアラビアに1点を返されたが、逃げ切った。

 

 原口、W杯最終予選4試合連続得点(埼玉)

日本代表 2-1 サウジアラビア代表

【得点】

[日] 清武弘嗣(45分)、原口元気(80分)

[サ] オマル・イブラヒム・オスマン(90分)

 

 アジア最終予選の折り返しとなるこの一戦。W杯出場権獲得圏内の2位に入るためにも必ず勝ち点3が欲しい日本は、11日のオマーン戦で結果を残したFW大迫勇也と清武を起用。調子の上がらないFW本田圭佑、MF香川真司をベンチに座らせて臨んだ。

 

 前半から日本が優勢に試合を進める。2分、DF森重真人の鋭い縦パスを足元に収めた大迫が、ゴール正面の清武にパスを送る。清武はドリブルで持ち込みシュートを放つが、相手GKの正面をついた。20分には中央突破したFW原口元気がゴール前の大迫へボールを出す。大迫は素早いターンからシュートを打つが、これもGKにセーブされた。いずれもゴールにはならなかったものの、手数をかけずシンプルに大迫へボールを当てる攻撃は、効果的だった。

 

 その後も良いテンポでサウジアラビアゴールに迫ったが決めきれない。迎えた前半終了間際、試合は動いた。右サイドからのクロスを受けた清武がペナルティーエリア内で巧みなボールコントロールでディフェンスをかわしてシュートを放った。ボールはシュートブロックに入ったMFアブドゥルマレク・アルハイブリの腕に当たり、PKの判定。このPKを清武が自ら蹴り、冷静にゴール左隅に決めて日本が先制した。

 

 後半に入っても日本は積極的な守備からボールを奪い速攻を仕掛けた。後半開始から出場した本田が2度決定機を迎えるがゴールネットを揺らすことはできない。

 

 勝負を決定づけたのは原口だった。35分、左サイドでボールを持った本田がオーバーラップしたDF長友佑都へパス。長友がグラウンダーのクロスを入れ、途中出場していた香川がニアでボールを後ろに流した。これに反応した原口は、落ち着いて右足インサイドでゴール左隅に決め、リードを2点に広げた。

 

 終了間際にサウジアラビアにゴールを許したものの、1点のリードを守り切り、2-1で勝った。貴重な追加点を決めた原口は試合後、「日本が勝つことが最大の目的だったので、そのために戦った。結果的に僕が点を取りましたけど、おまけみたいなもの」と語った。

 

 原口は日本人初となるアジア最終予選4戦連発にも表情を緩めない。「特別な気持ちはないですね。とりあえず勝ててホッとしている。ボールを取った後の(攻撃の)スピードアップなどいい部分が出せた。相手が余裕を持つ前に1つ1つ潰せていた。僕自身のクオリティーが高ければもっと簡単に2点目、3点目を取れた」

 

 年内最後となる試合で勝利を収めた日本。来年3月にはアウェーでUAEと対戦する。埼玉での最終予選初戦で苦杯を舐めさせられた相手だ。サウジアラビアとは勝ち点で並びグループ2位に浮上したが、油断はできない。W杯出場を懸けた茨の道はまだまだ続く。

 

(文/大木雄貴)