11日、サッカー日本代表(FIFAランキング51位)はカシマスタジアムでオマーン代表(同129位)とキリンチャレンジカップ2016を行い、4‐0で勝利した。日本は前半32分、41分とFW大迫勇也がゴールを決めてリードを奪う。後半19分にはMF清武弘嗣がPKを決め、終了間際にはMF小林祐希がとどめをさした。快勝で弾みをつけた日本は15日にホームで行われるロシアワールドカップアジア最終予選のサウジアラビア(同54位)戦に臨む。

 

 久保、永木が初キャップ(カシマ)

日本代表 4-0 オマーン代表

【得点】

[日] 大迫勇也(32分、41分)、清武弘嗣(64分)、小林祐希(90+4分)

 

 1年5カ月ぶりに代表に招集された大迫がスタメンで出場し、見事に結果を残した。

 

 19分、大迫に最初の見せ場が訪れた。日本は左サイドのショートコーナーからペナルティーエリア外の中央に位置を取ったMF山口蛍にボールが渡る。山口は右サイドのFW本田圭佑へと展開した。本田がセンタリングを送ると、中で待ち構えた大迫がヘッドでゴールを揺らすも、判定はオフサイド。だが、ブンデスリーガで継続的に試合に出場し、得点感覚が研ぎ澄まされていることをアピールした。

 

 24分にはFW齋藤学が左サイドを得意のドリブルで縦に突破しクロスを供給する。中で合わせた大迫から本田へと渡った。本田は左足でシュートを放つがDFにクリアされる。31分にも齋藤が左サイドを深くえぐりクロスを入れた。MF山口蛍がヘッドで合わせたものの、相手のDFに阻まれた。惜しくも得点とはならなかったが、国内組の齋藤もキレの良さを見せて、ポジション争いに名乗りを挙げた。

 

 32分、待望の先制点が生まれる。左サイドで清武がボールを持つと右足でクロスを入れる。このクロスにファーサイドにポジションを取っていた大迫が頭で合わせ、ゴール左に決まった。古巣・鹿島アントラーズのホームスタジアムで大迫が会場を沸かせた。

 

 41分にも大迫が魅せた。清武、本田がペナルティーエリア手前で細かいパス交換。清武がペナルティーエリア内にいる大迫へラストパスを送る。ボールを受けた大迫は左足で切り返し、シュートコースを作って冷静に右足でシュートを放った。シュートはゴール左隅に決まり、リードを2点に広げて試合を折り返した。

 

 後半に入っても日本は試合を優勢に進めた。19分には途中から出場していたFW浅野拓磨が獲得したPKを清武が冷静にゴール右上に決める。その後もボールを支配しながら、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は4年9カ月ぶりに招集したFW久保裕也や、小林らを投入した。後半アディショナルタイムには小林が利き足とは逆の右足でゴール右上に豪快にねじ込む。4-0の完封勝ちで試合を締めた。

 

 約3年ぶりのカシマスタジアムでプレーした大迫は試合後、「代表として戻って来られて嬉しい。懐かしい感じがした。自然とモチベーションが上がった」と語った後に、こう続けた。

「内容どうこうより、得点を取ることしか考えてなかった。トップ下には清武がいたので、清武に任せながらゴール前でパワーを使えるようにした。FWひとりではどうにもできない。周りとの関係がないとダメ。清武がうまくオレのことを見てくれたから、ゴールに向かうことができた」

 

 停滞気味だった攻撃陣に大迫が加わったことでポストワークとゴール前の強さが加わった。15日にはホームでワールドカップアジア最終予選B組の首位を走るサウジアラビアと戦う日本。大迫の“ハンパない”一撃に期待したい。

 

(文/大木雄貴)